第4話

恋バナ
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2019/03/01 09:32
「っはぁー!

初日からテストとか…ないわ…」


「あははっ

おつかれ優梨ちゃんっ」


4時間目で、いわゆる“入学おめでとうテスト”が終わって、お昼休み。


午後はホームルームとか対面式とか、生徒会入会式って言ってたなぁ…


「ねぇ、私たちもお昼一緒に食べていい?」


優梨ちゃんと机をくっつけていると、女の子2人組が私たちに向かって言った。


「いいよいいよ!

一緒に食べよ!」


確か…優梨ちゃんの前の席とその左隣の人…


名前は…


「葵ちゃんと玲奈ちゃんだよね!」


優梨ちゃんがそう言いながらお弁当を出した。


小島こじまあおいちゃんと、大村おおむら玲奈れなちゃん。


葵ちゃんは長い髪を編み下ろししてて、可愛いなぁって思ってたんだぁ…


玲奈ちゃんは正反対で、ショートヘアでスタイリッシュ。


かっこいいお姉さんみたい。


「今日って部活紹介とかもあるんだっけ?」


「んーん、それは明日から。」


「そかー、早く部活入りたい〜!!」


「どこはいるつもりなの?」


今日初めて話したのに、前から友達だったようなテンポで話が進んでいく。


すごいなぁ…。


「ね、あなたもそう思わない!?」


「へ?」


あ…全然聞いてなかった…


野原のはらひかるくん!

かっこよくない??」


いつの間に部活の話から男の子の話に…!


「野原くん…?」


って同じクラスの…?


と、思いながら教室を見回す。


野原くんは他のクラスメイトと楽しそうに話をしていた。


「ね、かっこいいよね!?」


「え、えぇーっと…」


かっこいい…


と言えばかっこいい…のかな…?


「ほら、あなたちゃん固まっちゃってるじゃん!

それに、輝はどちらかと言うとカワイイ系じゃない?」


悩んでいる私の肩に手を置きながら玲奈ちゃんがフォローをいれてくれる。


「え、名前呼び!?

なんでなんで〜!?」


「玲奈と輝くんと私は同中出身なんだよ〜

それに、2年3年で同じクラスだったの〜」


葵ちゃんがおにぎりを頬張りながら言う。


「え、いいな!

紹介してよ〜!

私、」


優梨ちゃんがクイクイッと手で頭を近づけるように合図した。


そして小声で言う。


「一目惚れしたかもしれない〜!」



「「「えっ?」」」


「入学式の時から思ってて〜ほんとに、好きになっちゃったかもしれない…」


「え〜マジ!

まぁ、オススメはしないけど応援するよ!」


「うんうんっ!」


これが恋バナ…!

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