『なにしてんの?』
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事の始まりはジフンがお家にお邪魔し、
ご飯を食べたあとだった。
【ほんと美味しかった、ありがと!】
「ご飯ぐらいなら作るから
困ったときはいつでも来てね笑」
【うん!...ってあれ?】
「?」
【もう10時半じゃん。
ジニョンこんな帰り遅いんだね。いつも?】
「うん...仕事忙しいって...」
そんな悲しい顔を見たジフンは
そっと彼女ちゃんを抱きしめます。
【そんな寂しそうな顔しないで?】
「...うん、っ、ありがと。」
【俺ならそんな悲しい思いさせないのに...】
「...え、っ?」
【あなた、好き。】
「な、何言って.../」
【ジニョンじゃなくて...俺にしなよ。】
「ジフン君...っ/」
【じゃあ...分からせてあげよっか?】
するといきなりソファに押し倒され、
顔を近づき、もうあと1ミリほどで唇が触れて_
「っ.../」
目をつぶったその時、
【ぷははっ笑】
「へっ?」
【嘘だよ、お得意の演技。】
「演技...っ?」
【ごめん、驚かしたくてさ笑】
でも、実は彼女ちゃんがホッとした顔を見て
ジフンの表情が少し暗くなったことにまだ
気付いていないようです。
【いやぁ、俺やっぱ演技うまくね?笑】
「ジフン君...」
【あー、ごめんて。ほんともう何もしない】
と、言って手を広げるジフン。
「うん...」
【でも、好きなのは嘘じゃないから。】
「!/」
【だからこれで最後にするから...キスして。】
「...だめ、私にはジニョンが...っ」
【お願い...っ】
「でも...っ」
【ごめん。】
そして、2人の唇は重なった。
彼女ちゃんは必死でジフンを離そうとする。
「...じふ...っ、ん、離して...っ/」
【ん...っ/】
「...ん、だめ...っ、ぁ/」
ガチャ
『なにしてんの?』
「ジニョン、違うの...っ!」
『俺がどんな思いでいたか...っ、あなたに
分かる...?』
【これは俺が言ったんだ。本当にごめん。
許してもらえないのは分かってる。】
『ジフニヒョン、少し2人で話させてください。』
【分かった。】
ジフンが家から出ていき、部屋に残った2人。
彼女ちゃんは泣き、ジニョンは俯くばかり。
『あなたは俺が好き?』
『もう、泣かないでって。
俺...ちゃんと話聞くから、全部話して?』
____
全ての話を聞いたジニョンは、
優しく彼女ちゃんを抱きしめます。
『そっか...怖かったんだね。』
「本当に、ごめんなさい...っ」
『俺もちょっと仕事忙しくて、
お前を寂しい思いにさせてたのは悪いから。』
「ジニョンは、なんにも悪くない...っ」
『でもさっきのはすごく嫉妬した。
しかもジフニヒョン、お前の推しだし笑』
「え...嫉妬...?」
『うん、そうだよ。
俺いっつもジフニヒョンに嫉妬してる。』
「.../」
『でもちゃんと俺のこともテレビとかで
見ててくれると安心するし、嬉しい。』
「見てるよ、全部...録画してる」
『この前のヨハイだって、本当は1番
俺のやつ買ってくれてたのも知ってるよ笑』
「違う...し/」
『お前ツンデレなんだよ〜笑』
「だから違うって/」
『そんなとこも好きだよ。』
「...ジニョン、おかしい/」
『ははっ、バレた?笑
ヤキモチ焼きすぎて俺おかしくなった笑』
普通なら怒って、別れてもおかしくないのに
笑って最後まで話を聞いてくれたジニョン。
彼女ちゃんは恐る恐る聞いてみます。
「ねぇ...怒ってないの...?」
すると、
『怒ってないとでも思ってた?
今日はたくさん ’’お仕置き’’ しないとね?』
やっぱり、あなたの彼氏のジニョンは
優しくはないようです。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。