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第21話

傷痕⑦
221
2021/08/26 05:52
_ _ _あなたside_ _ _



今何が起こっているの。


どうしてこの人達はここにいるの?

私が夏目社長に居場所を知らせた?

どういうことなの、、、?


ゴソゴソ、、、スッ、、、


社長
社長
そ、それ、、、盗聴器?
ふぉい
ふぉい
、、、は?
脇
ずっと聞いとったんか。
夏目社長
夏目社長
ふっ。念の為にね。
この子は私の可愛い飼い猫だ。
君たちのような悪い虫が寄って来ないように
常に細心の注意を払っている。
銀太
銀太
最低やな、、、あんた
まる
まる
んだよ、こいつ。
脇
あなたを動物呼ばわりすんじゃねーよ!!!
ちゃんと一人の人間なんだよ!!
(なまえ)
あなた
、、、、。
夏目社長
夏目社長
ふんっ。木元くん、今の彼らの数々の無礼な発言、君はどう答える?
君の答えを聞こう。その為に君をここに呼んだのだからな。ニヤッ
社長
社長
、、、、。
脇
社長、、、みんなそれでここに、、。
夏目社長
夏目社長
君ならわかるだろう、今君がすべき行動はなにか、、、ニヤッ
社長
社長
、、、、はい。
脇
しゃ、、、社長?
社長、、、そう呼ばれている人は
夏目社長の前にひざまずき、深々と頭を下げた。
社長
社長
すいませんでした。こいつらにはようく話してきかせておきます。
だから、、、今回は見逃してください。
銀太
銀太
社長!!!!
ふぉい
ふぉい
なんばしとっと?!!
まる
まる
、、、、
脇
なんで謝るんすか!!!社長!!!!
こんなやつ!もう契約なんて!
社長
社長
脇!!!!、、、お前は黙っとけ。
彼は深々と頭を下げたまま夏目社長に謝罪している。
夏目社長
夏目社長
ふふふふふっ。
夏目社長
夏目社長
まあいいだろう私もそこまで器の小さい人間ではない。
今回は君達の契約違反、、、そして数々の無礼な発言も水に流してやろうじゃないか。
社長以外
社長以外
、、、、、。
社長
社長
、、、、、ありがとうございます。
夏目社長
夏目社長
だが、しかし。
夏目社長は私の方を向いた。
(なまえ)
あなた
、、、え?
夏目社長は胸ポケットに入っていたボールペンを取り出し、
そして私の手をとった。
脇
え?
まる
まる
ちょ、、、なにするつもりや、、、
夏目社長
夏目社長
あなた、、、残念だよ。
私以外に素性を明かすような真似をして、、、。
非常に残念だ。
どうすれば私の気が済むか、、、わかるよね?
夏目社長は異常なほどのドS。
というか最早サイコパスだ。
私が痛がる事、苦痛な事がが彼にとって
一番の快楽なんだ。


これだけ長い間こんな人のそばにいた。


こんなの見えていた結果だ。
(なまえ)
あなた
、、、、はい。夏目社長。
私は夏目社長の手を握り返し手の甲を見せた。
夏目社長
夏目社長
お利口だね、あなた。
私の可愛い子。ニヤッ
社長
社長
、、、、。
脇
おまえ、、、。
夏目社長
夏目社長
チュウッ、、、
全員
全員
?!?!!!!!
夏目社長は私の頬にキスをした 。

そして不敵な笑みを浮かべながら今度は私の
手の甲を見つめた。



そして、、、
夏目社長
夏目社長
おしおきだ。


ブスッ!!!!!



脇
おい!!!!!!
ふぉい
ふぉい
なんしてんだ!てめえ!!!!
(なまえ)
あなた
、、、うっ!!!、、。
私の手の甲目掛けて夏目社長はボールペンを
振りかざした。

ボールペンは半分ほど手の甲に突き刺さり
私の手の甲はジンジンと悲鳴をあげる。

私はあまりの痛みに顔を顰め、手を振り払った。


カランッ、、、、。


手を振り払った衝撃でボールペンも外れて
床に転がった。


私は自分の手を胸に当てうずくまる。
(なまえ)
あなた
、、、、ツッ!
脇
あなた!!!!
彼がわたしに駆け寄ろうとする。
(なまえ)
あなた
ダメっ!!!!、、、大丈夫だから、、。
脇
ピタッ!!!あなた、、、大丈夫じゃなかと!
てめぇ!何してるかわかっとーと?!!
銀太
銀太
許さねえ。
ふぉい
ふぉい
あなたちゃん!早く手当せんと!!!
みんな声を荒らげている。
私なんかのために。


だけど、、、ダメだよ。


ここで私なんて庇ったら夏目社長の思うツボだ。

私は平然を装う。
社長
社長
、、、、。
私は立ち上がった。
そして痛みを我慢し笑みを浮かべる。
(なまえ)
あなた
、、、大丈夫です。
、、、夏目社長、私はクラブに向かいます。

では、失礼します。
脇
え!おい!!!!!
社長
社長
脇!やめえ!追いかけるな!
夏目社長
夏目社長
ふっ。ニヤッ
タッタッタッ、、、、




私は病室をあとにした。

急いでタクシーに乗り込む。


血が滲んで手が痛む。この前噛み付かれた腕も
傷口が開いて痛い。


だけど、もうこれ以上彼らに迷惑をかける事なんてできない。

なにより、、、



お兄ちゃんを守る為に、私は従い続けなければいけない。



お兄ちゃんを守る為ならこんな傷、、、


痛くない。




もう私は、これ以上大切な人を失いたくない。

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