_ _ _ 脇side _ _ _
俺は 嫌な予感がした。
彼女は突然下を向き帽子を深く被った。
そしてその小さな体は小さく震えていた。
ガチャッ
黒い車のドアが開くとそこには
この世で一番会いたくないやつが立っていた。
彼女は震えている。
やっぱり本当は怖いんだ。
彼女はそういうとスっとその場を立ち上がった。
俺は咄嗟に彼女の手を掴んでしまった。
彼女は俺の言葉を遮るように言った。
そして彼女は震えながら今にも泣きそうな顔で
ニコッと笑った。
とても小さく消え入りそうな声でそういうと
彼女は俺の手をほどきあいつの元へ歩いていった。
そしてあいつはあなたの肩を抱き
車に乗せた。
それだけ言うとやつは車に乗って消えていった。
俺は怒りが止まらなかった。
なんで拒まねえんだよ。
あんなに震えて、、、あんなに泣きそうで、、、
あんな顔でありがとうなんて言うなよ、、、。
彼女は見た目からして小柄で細かったけど
握ったその腕は信じられないくらい
やせ細っていた。
まともに飯も食えてないのかな、、、
俺は彼女の事で胸がいっぱいになりながら
事務所にむかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。