あなた:お邪魔します……!
川西:あれ,白布まだ帰ってきてねぇみたいだな
太一くんと一緒に二人の部屋に来た
白布くんはまだ帰ってきてないみたいだった
川西:上がって待つ?
あなた:え,いいの……?
川西:おう。飲みもん出すよ
あなた:ありがとう…!
太一くんがそう言ってくれたので
あたしはお言葉に甘えて
上がって待たせてもらうことにした
川西:つーか白布に何返すの?
太一くんはコップに麦茶を入れて
テーブルの上に置いてくれた
あなた:白布くんにね,パーカー借りたの!
川西:パーカー?いつ?
あなた:一昨日の夜!
川西:え?夜?
太一くんは
白布くんとあたしが会ったことを知らないようだった
川西:何したの?
あなた:屋上で星見たの!
川西:星?それだけ?
あなた:う,うん?
川西:どっちから誘ったんだ?
あなた:え……?
今日の太一くんはよく聞いてくるな………
あなた:し,白布くんからだよ……?
川西:え?まじで?
あなた:う,うん……バイトから帰ってきて直ぐにLINEで今出てこれるかって言われて……
太一くんはとても驚いた顔をしていた
やっぱりみんな驚くよね………
川西:白布に何か言われた?
あなた:え……?何かって……?
川西:" 会いたかった "とかさ
あなた:会いたかったとは言われなかったけど,会いたかったの?って聞いたら頷いてくれたよ……?
川西:ッ………!
太一くんは眉を寄せた
何だろう______?
川西:他には?
あなた:え?他に……?
詰め寄ってくる太一くん
こんな太一くん初めて見た____
あなた:あ………
川西:何?
あなた:あたしと陸斗くんが仲良くしてるのが何かやだって言われた……
川西:え……?
あなた:何で?って聞いたら" わからない "って言われたけど……何でだろう……?
あたしが首を傾げると
急に太一くんに抱き締められた
あなた:太一くん………?
川西:お前,まだフッた奴の事好きなのか?
あなた:え………?
まだ" 好き "って言ったら
未練がましいって思われちゃうかな______?
あなた:そ,そんな事ない……よ……?
川西:ほんとに?
あなた:ほん……と……だよ……?
あたしは眉を下げながら太一くんにそう言った
川西:………ならさ
あなた:………?
『 俺の彼女になってよ。』
あなた:え………?
川西:俺,ずっと………昔からずっと____
" あなたのことが好きだったんだ____ "
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!