第16話

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2020/09/17 12:00




















あなた:渚優!ちょっと行ってくるね!




渚優:行ってらっしゃーい!お土産よろしく!













この日の夜は珍しく晴れていた

あたしは散歩がてらコンビニに行く事にした













白布:あれ,あなた?




あなた:!白布くん……!













女子棟を出ると

丁度白布くんが男子棟から出てきた









白布:また買い物?




あなた:珍しく晴れてるからお散歩ついでにコンビニ行こうかなって!




白布:散歩って年寄りかよ( 笑 )




あなた:ち,違うもん……!









白布くんはあたしの前だとよく笑ってくれる

でもそれは____" 友達 "だから









白布:俺もコンビニ行こうと思ってたから一緒に行くか




あなた:え……!?













また白布くんの隣に並んで歩く

でもこれは短い夢の中

いつも白布くんの隣を歩くのが

あたしだったら良いのに____



































白布:少し寄ってく?




あなた:……!うん…!











コンビニで買い物を済ませた帰り道

白布くんは小さな公園を指さした











あなた:ブランコなんて何年ぶりだろ……!




白布:ほんとにな( 笑 )









あたし達はブランコに腰掛けた










あなた:そのデザート,白布くんが食べるの?




白布:んな訳あるか












白布くんの持つ袋の中には

いちごのスイーツが入っていた











あなた:あ,太一くんに頼まれたの?




白布:いや,太一でもない




あなた:……?




白布:これ,麗奈に頼まれたやつだから











早川先輩に頼まれたんだ____

という事は二人はこれから会うのかな……?












あなた:早川先輩って本当に美人で可愛いよね…!




白布:……そうだな




あなた:いつから付き合ってるの……?




白布:去年の冬。バレンタインの時に告られた




あなた:そうだったんだ……!













告白をしたのは先輩かららしい

白布くんイケメンだから当然だよね












白布:でもさ




あなた:……?




白布:釣り合ってない気がすんだよね




あなた:え………?











白布くんは眉を下げながら

少し寂しそうにそう言った













白布:学年一の美人で有名だったし,文化祭のミスコンでは優勝もしてる麗奈が俺に告白してきたのはびっくりしたけど嬉しかった




あなた:……うん……




白布:でもそんな麗奈と俺って____










『 本当に釣り合ってんのかなって思うんだよね 』










白布:すげぇ好きだし隣にいたいし俺も頑張らねぇととは思ってるけど………




あなた:………




白布:本当に俺でいいのかなって偶に不安になる













白布くんはそう____眉を下げながら微笑んだ












あなた:……不釣り合いなんかじゃないよ




白布:え?




あなた:あたしこの前も言ったけど二人は本当にお似合いだと思う……!













二人がお似合いである事に代わりは無かった

だからあたしは_____進めないんだ









あなた:白布くんはすごくかっこいいよ?




白布:え……?




あなた:早川先輩が凄く美人なのは事実だけど,白布くんがすごくかっこいいのも事実だから……!




白布:……!




あなた:それに顔も勿論だけど優しい所とか笑ってくれるところとかバレーしてる姿とか特に……!











『 白布くんにはかっこいい要素が沢山あるんだよ!』









あなた:だからもっと自信持って!ね…!




白布:……あなた,ありがとう












白布くんは優しく微笑んでくれた

その笑顔を見て_____また顔が熱くなる












白布:誰かにこんな愚痴こぼしたの初めてだわ




あなた:え?そうなの…?




白布:うん。でも何故か____あなたには言えた









" だからありがとな "

白布くんの力になれたなら____嬉しい











白布:あなたは好きな人とかいねぇの?




あなた:え,あたし……!?




白布:太一が" あなたは男子に興味無いから "とか言ってたからさ




あなた:そ,そうなんだ………














確かに男子にも恋愛にもあまり興味が無かった

でも今は____













あなた:……いるよ,好きな人




白布:え……まじで?




あなた:うん……最近,初めて恋したんだ












白布くんの顔が見れない

でも____居ることくらい言ってもいいよね?









白布:告白とかしねぇの?




あなた:し,しないよ……!




白布:?何で?




あなた:だ,だってフラれるのわかってるもん……!




白布:そんなの分かんなくね?










わかるよ

だって____相手には彼女がいるんだよ?













白布:あなたは良い子だから上手くいくと思うけどな




あなた:そ,そんな事ないよ……あたし地味だし




白布:そう?













" 地味って感じたこと無かったけど "

白布くんはそう言ってくれた










白布:ま,叶わないって思ってても気持ち伝えるくらいよくね?




あなた:え____?




白布:初めて恋したんだろ?その気持ちを相手にぶつけることくらい罰当たんねぇと思うけどな




















白布くんはそう言ってくれた____

















白布:てか協力するし




あなた:え……!?




白布:話聞いてもらったお礼的な


















相手が白布くんなのに

どうやって協力するの____?

















白布:ま,伝える伝えないはあなたの自由だけどさ



















『 伝えた方が良いとは俺は思うよ 』





















あなた:白布くん,あのね____




白布:?
































あたしは白布くんの袖を掴んだ






























あなた:____あたしね






























白布くんの事が好きです____。













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