白布 side
川西:此処だな
白布:おう……
俺達は天童さんの話を聞いて
例のカフェまでやってきた
川西:つか何でお前着いてきたの?
白布:いいじゃん別に
川西:……お前……
『 あなたの事好きとかじゃねぇよな? 』
白布:そんなんじゃねぇって。友達として。陸斗も働いてるし
川西:ほんとかよ
白布:ほんとだって
川西:ま,一度フッた相手を好きになるとかあれだもんな
太一にそう言われると
すごく胸が痛んだ
川西:あ,あれ……
白布:………!
太一の声で店内を見ると
可愛らしい制服に身を包んだあなたが接客していた
川西:……本当だったんだな
白布:……だな
川西:……ッし,行くぞ
太一はカフェの扉を開けた
あなた:!いらっしゃいませ〜!って……あれ?
俺達に気付いたあなたが驚いた顔をしていた
あなた:太一くん,白布くん……?
川西:よっ
白布:お疲れ
あなた:ど,どうしてここに……?
川西:先輩からあなたが此処で働いてるって話を聞いたから来てみた
あなた:そうなの!?
" 慣れるまで秘密にしとこうと思ったのに "
そう彼女は眉を下げながら笑っていた
あなた:お決まりになりましたらお呼びください…!
川西:わかった
白布:ありがとな
あなた:失礼します……!
あなたはそう微笑んで席から離れていった
やばい。想像以上に______
川西:可愛い……
白布:………!
俺の気持ちを太一に読まれたのかと思って
俺は肩を震わせた
川西:此処の制服って可愛いで有名じゃん
白布:そうなのか?
川西:そ。だからあなた絶対似合うと思ってさ
メイド服寄りの制服は
あなたにすごく似合っていた
川西:……あなたをお持ち帰りしてぇ
白布:変態
川西:うっせ
でも太一がそう言いたくなるのもわかるくらい
本当に可愛いと思った
渚優:お客様。従業員のテイクアウトは出来ませんのでご理解お願い致しますね〜
川西:げっ
渚優:何が" げっ "よ。変態
白布:変態ー
川西:う,うるせぇ!
俺達が話していると
やって来たのは安藤だった
白布:安藤も働いてたんだな
渚優:私はついでみたいなもんよ
川西:?ついで?
渚優:だって元々誘われたのはあなただもん
誘われた_______?
川西:誰に誘われたんだ?店長?
渚優:決まってるじゃん
『 陸斗くんだよ 』
安藤はそう言いながら視線をカウンターへやった
俺達も安藤の視線を追いかける
カウンターにいたのは
陸斗と楽しそうに話すあなたの姿だった
渚優:花火大会の時は何となくそうかなって思ってたけどあれはガチだね
川西:え?
渚優:多分陸斗くんは____
『 あなたのこと好きだよね 』
" 俺,飯島さんの事気になってるんだよね "
いつの間にか" 気になる "じゃ済まなくなっていたのか
俺は楽しそうに話す二人を見て
胸を痛める事しかできなかった_____。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!