女子:ねぇ次あっち行きたい!
男子:いいよ,行こっか
あなた:………はぁ………
渚優:13回目
あなた:……またやってるの?
渚優:まぁね
学園祭当日
あたしと渚優は午後のシフトなので
一緒に学園祭を回っていた
あなた:……いいなぁ……彼氏……
渚優:陸斗くんに告白されたんでしょ?付き合っちゃえば良かったのに
あなた:出来ないよそんな事………
あたしは陸斗くんにキスされたあの日,告白をされた
陸斗くんはすごく優しい人だから
きっと付き合ったら幸せになれると思う
けど______
あたしの頭の中にはまだ別の人がいた
渚優:付き合ってから好きになるのもありじゃん
あなた:でも他の人の事を想ったまま陸斗くんと付き合うのはやっぱり違うと思うんだよね……
渚優:真面目かって
あなた:そんなんじゃないけど……
渚優:いや,違うね
あなた:?
『 人を思いやる心があるからこその決断だよね 』
あなた:え………?
渚優:私は正直あなたが他の人の事を想っているとしても,それが辛いなら陸斗くんに逃げるのはありだと思った
あなた:………
渚優:けど………それによって陸斗くんを傷付けたくなかったんでしょ?
あなた:え………?
渚優:きっと陸斗くんもあなたの気持ちを知ってて告白してるわけだから私と同じ考えだと思う
あなた:………?
渚優:辛いなら俺に逃げて来いよくらいには思ってると思う。____でも
『 あなたは陸斗くんの気持ちに応えられなかった時
思わせぶりな態度をしといて
傷付けるのは嫌だったんだよね? 』
渚優:自分の気持ちを優先しないで人の事を考えられるのはあなたのいい所だと思うよ
あなた:渚優………
渚優:けどいつまでもそのままでいるつもりなの?
あなた:え………?
渚優:どっちにしろ……決着をつけないといけないんじゃないの?
あたしの頭の中にはまだ白布くんがいる
この気持ちはずっと変わっていない
けどあたしは期待したくないからと言って
自ら白布くんのことを避けていた癖に
全然気持ちを捨てられてはいない
渚優:動かないとずーっとこのままだよ
あなた:え………?
渚優:あなただって陸斗くんだって……白布くんだってずっとこのままだよ
動かないと皆ずっとこのまま………?
______そんなの嫌だ
渚優:あなた
あなた:?
渚優:気持ちを伝えるだけでも……何か変わるかもしれないよ?
あなた:え……?
渚優:絶対………伝えて後悔はしないよ
伝えて何かが変わるなら______
あなた:渚優,ありがとう。あたし行ってくるね!
渚優:うん!行ってらっしゃい!
もう一度______この想いを伝えるんだ。
NEXT ▹▸ The Final episode .
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。