白布 side
男子:白布そっち持って!
白布:おう
翌日から学園祭の準備が始まった
あれから謎の胸の痛みに襲われてたけど
未だに原因はわからない
でも確かなのは
陸斗とあなたがキスをしているのを見てからだということ
男子:白布!しっかり持って!
白布:!わ,悪い
男子:ッたくー。今日ボーッとしてね?平気?
白布:何でもねぇよ。大丈夫
心做しかボーッとしてしまっている
朝練の時も監督に怒鳴られた
俺の頭の中に居続けるのは
昨日の二人だった
あなた:よいしょっと……
白布:………!
あなたが重い大道具を運ぼうとしていた
あんなの男子が持っても重いくらいなのに
女子が持ったら危ないに決まってる
俺は代わろうとあなたに近づいた
しかし______
陸斗:なーに持ってんの
あなた:え!?り,陸斗くん……!?
俺よりも先にあなたの持っていた大道具を取り上げたのは
______陸斗だった
あなた:だ,大丈夫だよ……?
陸斗:何言ってんの。重いでしょ?
あなた:り,陸斗くんだって重いでしょ……?
陸斗:俺は男だから平気。だからもっと頼って?
あなた:……うん。ありがとう……!
あなたは陸斗にお礼を言いながら柔らかい笑みを見せた
俺が大好きな笑顔
でも向けられているのは俺ではなく他の男
俺は大好きな笑顔を見られているはずなのに胸が痛んだ
それに俺は____
今はあなたの辛い顔しか作り出せていない
男子:あの二人って付き合ってんのかな?
男子:飯島さんと陸斗?そうじゃね?
男子:なんかお似合いだよな!
俺には釣り合わねぇみたいな事言ってたくせに
陸斗になるとお似合いなのかよ?
俺と陸斗の何が違うんだよ
そう思いながら男子達に腹を立てていた
それと同時に
二人が本当に付き合っていたらどうしようという
焦りが生まれた______。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!