渚優:で,何で私もついて行かないといけないのさ
あなた:だってあたし一人じゃ行けないもん…!
週末,太一くんから練習試合だと連絡を貰い
あたしは渚優を誘って体育館に足を運んだ
渚優:ていうか川西がバレー部なのに何で白布くんの事知らなかったの?
あなた:う,薄ら名前だけ聞いたことあるような無いようなって感じだったんだもん……
渚優:白布くんがバレー部だって事知らなかったの全校生徒であんたくらいだよ
あなた:そ,そんなに……!?
白布くんってそんなに有名な人だったんだ
太一くんと同じで上手いから呼ばれたのかな?
川西:お,あなた!
あなた:太一くん……!
体育館に入るとアップ中の太一くんが
あたしと渚優を迎えてくれた
川西:来てくれてサンキューな
あなた:ううん!誘ってくれてありがとう…!
渚優:あなた,それ渡さないの?
あなた:あ,そうだ……!これ差し入れです…!
折角練習試合に誘ってもらったのだから
ゼリーの差し入れを買ってきた
川西:まじで?サンキューな!
あなた:いえいえ!
?:あれれ〜?何女の子と話してるのさ太一〜
太一くんと話していると
凄い髪型をした妖怪みたいな人が話しかけてきた
川西:俺の幼なじみですよ" 天童さん "
天童:え,あの" 例の幼なじみ "!?
天童さんと呼ばれたその人は3年生かな?
例の幼なじみって……何だろう?
天童:そっかそっか〜君がそうなんだネ〜!
あなた:………?
天童:俺天童覚!よろしくネ!
あなた:よ,よろしくお願いします……?
手を差し出されたので
あたしは天童さんの手を握った
?:天童,あんま後輩を虐めんなよ
天童:虐めてないヨ〜?
?:天童が女子と絡んでると虐めてるようにしか見えねぇ
?:それは一理あるな( 笑 )
新たに三人の部員達が近寄って来た
天童さんとタメ語って事は
みんな3年生なのかな____?
白布:先輩達ちゃんと練習して下さい
あなた:あ……!
声を掛けてきたのは白布くんだった
やっぱりこの人たち全員先輩なんだ____
天童:いいじゃんいいじゃん太一が折角女の子連れてきたんだからおもてなしをネ?
白布:意味がわからないです……それにおもてなしというかいきなり来すぎて困ってますよ
あなた:え……!
確かにいきなり大人数の男子に囲まれたから
驚いていたけど____
天童:あ,ごめんネ?
あなた:い,いえ……!
川西:ギャラリー行くにはあっちの階段からだから
あなた:うん,ありがとう……!
あたしは渚優と一緒に階段へ向かった
白布:おい
あなた:……?
急に声を掛けられてあたしは振り向いた
白布:ちゃんと見てろよ?
あなた:え____?
白布くんは真剣な顔でそう言うとコートに戻って行った
不覚にも_____ドキッとしてしまった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。