白布:そろそろ花火の時間だな
あなた:どうしよう……合流出来るかな……?
白布くんに連れられてきたから
渚優達とははぐれてしまった
携帯も人混みのせいか圏外になっていて
連絡のしようがなかった
白布:いいんじゃね?
あなた:え?
『 二人で見ようぜ 』
白布くんはそう言ってもう一度あたしの手を取ると
一旦屋台の方から離れた
白布:ここにするか
あなた:う,うん……!
しばらく歩いていると
二人分座れる場所を見付けた
あたし達はそこに腰掛けて
花火が始まるのを待った
あなた:携帯全然繋がらないや……
白布:俺も
あなた:渚優達大丈夫かな……?
白布:大丈夫じゃね?あっちは三人でいるだろうし
白布くんは
合流出来なくてもいいやって感じだった
あなた:あたしと二人でいいの……?
白布:え?何で?
あなた:その……もし誰かに見られたら……誤解とかされちゃうかもしれないし……
それに過去にフッた相手と一緒にいるのは
白布くんが気まずいのでは?と考えてしまった
白布:別に……俺あなたがいるから花火大会来たし
あなた:え………?
今,何て______?
白布:俺別に花火そんな好きじゃねぇし何なら人混みとかまじ嫌いだし
あなた:う"………
白布:でも,太一に誘われたからっていうか……あなたがいるから来たようなもんだから
今,確かにそう言った
あたしがいるから______来てくれたの?
白布:だからあなたと花火見るの嫌じゃねぇよ?
あなた:そ,そっか……!
あたしが安心してそう微笑むと同時に
______花火が始まった
あなた:綺麗………!
白布:………なぁ
あなた:へ………?
あたしが花火を見上げていると
突然白布くんに呼ばれて振り向いた
『 浴衣,めちゃくちゃ似合ってる 』
そうあたしの耳元で囁いた白布くんは
優しく微笑んでいた
花火の光に照らされて
とてもキラキラしていた____。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。