白布 side
陸斗:お,賢二郎,様になってんじゃん
白布:お前に言われたくねぇよ,陸斗
文化祭当日
俺達のクラスはカフェを開いていた
ちょっとしたカフェの店員っぽい服を着て
客として来る生徒の接客をしていた
白布:………てか,いいのかよお前
陸斗:?何が?
陸斗と俺は午前中同じシフトだったけど
あなたは午後のシフトだった
つまり二人は一緒に学園祭を回れない
白布:その………彼女と学園祭回らなくていいのかよ?
陸斗:え?
白布:付き合って初めての学園祭なら……一緒に回りたいもんじゃねぇの?
俺がそう言うと
何故か陸斗はキョトンとした顔をしていた
陸斗:あ,もしかしてあなたちゃんと俺の事気にかけてくれてるの?
白布:………まぁ………
陸斗:あなたちゃんなら安藤さんと回るって言ってたし大丈夫じゃない?
白布:え?
陸斗:…………てか
『 俺,あなたちゃんの彼氏じゃないからね 』
白布:………え?
陸斗:意地悪しちゃったね,ごめん
白布:ちょ………どういう事だよ……?
陸斗:まぁ俺もちゃんと" 付き合ってる "とは言ってないから本当に付き合ってると思ってたなら賢二郎の勘違いだね
白布:え………?
陸斗とあなたは付き合っていない______?
陸斗:俺,あなたちゃんに告白してフラれたんだよね
白布:え?
陸斗:お前,あなたちゃんがバイト復帰した日カフェの外まで来てたろ?
白布:………!
気付いていたのか_______?
陸斗:俺,賢二郎が居ることに気付いていながらあなたちゃんにキスしたんだよね
白布:………!
陸斗:それと同時に告白したんだけど………
『 " 好きな人がいる "って言われてフラれたんだ 』
白布:え………?
陸斗:でも中々自分の気持ちに気付かない賢二郎にちょっと意地悪したくなっちゃってさ,ごめん
白布:陸斗………
陸斗:………好き,なんだろ?あなたちゃんの事
白布:ッ…………!!
陸斗:いつまで" わからない "って言い続けんだよ
白布:え………?
陸斗:もう……自分の気持ちに気付いてるんだろ?
『 なら____早く気持ち伝えてきなよ。』
白布:陸斗
陸斗:?
白布:サンキューな
陸斗:………" 鈍感王子 "じゃなくて本物の" 王子 "になって戻ってこいよ
俺は勢い良く教室を飛び出した
______" あの子 "を探しに。
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明日,完結です。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。