あなた:太一くん!
川西:!あなた!どうだった?
あなた:すごくかっこよかったよ!
試合後,あたしは片付けをする太一くんに話し掛けた
白布くんはファンの子から差し入れを貰っていた
あなた:すごかったね!流石強豪校!
川西:だろ?この為に此処に来たからな
あなた:太一くんもすごく上手になってたよ!
川西:まじで?サンキューな( 笑 )
白布:ちゃんと見てた?
声を掛けてきたのは白布くんだった
ファンの子から離れて戻ってきたらしい
白布:ちゃんとバレー部だったろ?
あなた:え____?
やっぱり知らなかった事を気にしてたんだ
あたしが無知なばかりに____
あなた:あ,の……あの時はごめんね……?
白布:え?
あなた:あたし,確かに白布くんがバレーやってるのは意外だなとは思ってたけど似合わないとか嘘だとかそういう事思ったつもりは無かったんだ……
無意識に傷つけてしまったのだと
あたしはその事を謝った
あなた:でもね,今日の試合を見て意外だなっていう考えも無くなったよ……!
白布:え?
あなた:すごく……すごくかっこよかった……!
白布:………!
太一くん以外の男子に
" かっこいい "なんて言ったの初めてだった
あなた:白布くんがバレー部で有名な理由がわかりました!
白布:………!
あなた:バレーをしてる白布くん,すごくかっこよかったもん!
あれを見たら
好きになる女子だって少なくないはずだ
あなた:だからこれからも頑張ってね!
あたしは素直な感想を述べた
相手は男子だって分かっていたけど
試合を見た興奮を早く伝えたかった
白布:……ありがとな
あなた:え____?
白布くんは優しく微笑んだ
初めて見た____白布くんの笑顔
白布:また来てくれるか?
あなた:……!勿論だよ!
" また行くね "
そう言うとまた____白布くんは優しく微笑んでくれた
その笑顔に____不覚にもキュンとしてしまった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!