白布 side
あなたに告白されて1週間が経った
他の奴らと違って下心も何も感じられなかった分
かなり驚いた
川西:あなたに告白されたんだってな
白布:え?
川西:あなたから聞いた
太一は何故か告白された事を知っていた
まあ二人は幼なじみだから
あなたが太一に言うのは自然な事か____
白布:あなた,何だって?
川西:何って?白布にフラれたとしか聞いてねぇよ?
白布:怒ったりとかしてなかった?
川西:何で?
白布:俺……あなたの気持ちも知らねぇで彼女の事ベラベラ話してたからさ
好きな人から別の好きな人の話をされるとか
辛いと思うし俺じゃ耐えられないと思ったから
それを笑って聞いてくれていたあなたが
怒ってないか少し不安だった
川西:あなたはそんな事で怒る奴じゃねぇよ
白布:え?
川西:人の相談とか乗るの好きな奴だし
" ま,人の相談乗るくせに自分の相談は全然しねぇけど "
そんな感じがした
人の心配はかなりしてくれる優しい子だ
でも____自分の事は全然話そうとしない
川西:まぁ元々控えめな性格ではあるけどさ
白布:………
川西:でも," 恋が出来て良かった "って言ってたぜ?
白布:え………?
フッたのに……?
良い結末で終わってないのに
" 恋が出来て良かった "って思えるの____?
白布:どんだけ良い子なんだよ……
川西:ま,そんなあなたの事が俺は好きなんだけどな
白布:え____?
太一はサラッとカミングアウトした
薄々気付いてはいたけど____
川西:俺,昔からずっとあなたの事が好きだから
白布:………!
川西:だから,次は俺が動く
" だから応援しろよな "
太一はそう笑った
何故か____胸がチクンとした
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!