あなた:ご心配お掛けしました……!
あれから2.3日で様態は回復した
バイトは渚優に代わってもらっていたので
今日はあたしが渚優の代わりに出勤した
陸斗:元気になって良かった
あなた:迷惑掛けてごめんね……!
陸斗:迷惑な訳ないよ。心配したけどね
陸斗くんは優しく微笑みながらそう言ってくれた
陸斗:そういえばさ
あなた:?
陸斗:あなたちゃんが休んだあの日,賢二郎学校休んだんだよね
あなた:え………?
陸斗:休んだと言うか,1回学校に来たのに帰ったらしいんだよね
" 何か知ってる? "と聞いてくる陸斗くん
白布くんは陸斗くんに言ってないんだ
陸斗:もしかして……あなたちゃんのとこにいた?
あなた:………!
図星を突かれてあたしは戸惑った
陸斗くんは" やっぱりね "と言いながら笑っていた
陸斗:賢二郎,何か言ってた?
あなた:と,特に何も……?あたしも熱に魘されてて記憶曖昧で……
陸斗:そっか。そうだよね
何でわざわざ学校をサボってまで
傍に居てくれたのかはわからない
けどまたその優しさで期待をするのは嫌だ
なら____優しくして欲しくなんてなかった
あなた:………何で………
陸斗:?
あなた:何で白布くんは……あたしの傍に居てくれたのかな……?
こんな事
陸斗くんに言ってもしょうがないことはわかってる
でもあたしは
やっぱり少し期待していたのかもしれない
陸斗:………ねぇあなたちゃん
あなた:………?
陸斗:あなたちゃんはもう変な期待したくないんだよね?
あなた:え………?
陸斗:傷付きたくないから賢二郎を避けたんだよね?
あなた:そ……れは………
陸斗:………なら………
『 もう賢二郎の事,考えるのやめなよ 』
あなた:え………?
陸斗:賢二郎の事を考えなければ……賢二郎と関わらなければ何れ忘れられるかもしれないでしょ……?
あなた:で,でも………
それが出来たら
きっと今こんなに苦労していない
陸斗:あなたちゃんの心の中に賢二郎が居続ける限り,それは難しいのかもしれない
あなた:ッ…………
陸斗:………ならさ,俺の事を見てよ
あなた:え…………?
陸斗くんはゆっくりと
あたしの手に自分の手を重ねた
陸斗:俺,ずっと前から______
『 あなたちゃんの事が好きだったんだ。』
陸斗くんはそう言いながら
______唇を重ねた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!