白布 side
陸斗:あなたちゃん,一緒に行こ
あなた:あ,うん!渚優ばいばい!
渚優:ばいばーい!ご飯作っとくから!
あれから数日後
やっぱり前より陸斗とあなたの距離が近い
二人を見る度に胸が痛い
それと同時に______イライラする
渚優:あれ?白布くん部活は?
白布:………今から行く
渚優:そうなの?頑張ってね
安藤に話し掛けられた
安藤には悪いけど
今話し掛けて欲しい相手は他にいる
渚優:何その私じゃ不満ですよって顔
白布:そんな顔してねぇよ
渚優:してるじゃん
" あなたがよかった癖に "
安藤にはそう笑われた
何だよ____気付いてたのかよ
白布:なぁ
渚優:ん?
白布:あの二人って付き合ってんの?
渚優:あの二人って……あなたと陸斗くんの事?
俺がそんな事を安藤に聞くと
安藤は驚いた顔をしていた
渚優:付き合ってるのかどうかはわからない
白布:………そっか
渚優:でも最近確実に二人は仲良いなとは思うよ
白布:………!
渚優:陸斗くんが____本気なんだなって分かる
" 陸斗が本気 "
その言葉を聞いた瞬間____また焦りを感じた
何で……何でこんなに俺は焦ってるんだよ
渚優:ていうか何でそんな事聞いてくるの?
白布:え?
渚優:二人の事が気になるの?
白布:………別に
渚優:………ねぇ
『 白布くんはあなたの事どう思ってるの? 』
白布:え………?
渚優:明らかに何も思ってないようには見えないからさ
白布:………!
渚優:あ,ごめん。私先生に呼ばれてるんだった,行くね
安藤はそう言って教室を出ていってしまった
明らかに何も思ってないようには見えない
確かに何も思っていないならこんな気持ちにならない
けど______わからない。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。