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第9話

9話
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2018/03/21 01:03
【幼馴染】、【友達】、【仲良し】

それは、近いようで距離のある言葉。

「…素直に謝られるとなんか変な感じ。」

「なんだよそれw」

ごめんな、蕾。

俺、蕾が俺と恋人だったことを忘れて、怖くなったんだ。

毎回のことなのに、もう何度目かもわからないのに。

でも、繰り返されているからこそ、恐怖がどんどん大きくなっていっているのがわかる。

どうしようもなく、怖かった。

だから、蕾から逃げた。

そのせいで2人に、1番は蕾に迷惑をかけちゃったな。

辛くて辛くて、蕾と恋人だった頃の記憶を消したいと思ってた。

でも、気づいたんだ。

俺が1番辛いことは何かって。

それは、蕾に忘れられること。

わがままだよな、

忘れたいのに忘れられたくない、なんて。

忘れられる蕾が羨ましいとさえ思ってたんだよ。

怒ってくれて構わない、嫌いになってくれて構わない。

けど、

俺の事は忘れないでほしい。














だらだらと心の中で募った言葉。

この言葉を言うことのできる日は来るのだろうか。

やっぱり来ないかな。

…もう、どっちだっていいか。

「ねぇ、蕾」

蕾は俺への恋心を忘れてしまっている。

けど、

また

《好き》って

《愛してる》って言ってもらいたいから。

蕾が記憶をなくしても、

俺は…

「好きです、付き合ってください」

何度だって君に告白する。

おわり

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