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2018/03/21

第7話

7話
その時は、突然訪れた。

高校三年生の春。

俺は蕾に告白をした。

透と春の応援もあって、付き合うことになった俺たち。

だからと言って透と春と関係が薄くなるということもなく、本当に今まで通り楽しい生活を送っていた。

俺と蕾が付き合って3ヶ月後、事件は起きた。

俺が来週のデートはどこへ行こうかと聞いた。

「え?デート?急にどうしたの?」

最初、全くどういうことかわからなかったが、、

蕾は、俺と恋人として付き合った3ヶ月間の記憶がなくなっていた。

どうやら先天性のものらしい。

蕾は、自分が記憶がなくなっているということを知らない。

俺たちは恋人だったんだと、言えなかった。

ただ、怖かった。

これは、告白する時にも思ったことで、蕾は俺たち4人と今の関係でいることがとても幸せなようで、なんとなくこの関係が壊れることを恐れているように見えたから。

2人にはそれでいいのかと聞かれたけど、それでいいと言った。

「ねぇ、涼太。」

「んー?」

友達のままでいい。

そう、思っていたのに。

「私、涼太が好き。」

蕾の瞳に吸い込まれそうだった。

俺は、気がついたら口にしていた。

「俺も、蕾が好き。」

また、同じことを繰り返してしまった。

3ヶ月というタイムリミットの恐怖で押しつぶされそうな日が進み、とうとう明日で3ヶ月だという日。

「なあ、蕾。」

「なに?」

「…もし、明日。互いのこと忘れるとしたら、蕾ならどうする?」

「…なにそれw、不思議な質問だね。なんかあったの?」

俺はなにも答えなかった。

「それって、今何をするかってこと?」

「そう。」

すると、蕾は口を開く。

「何もしない。」

「え…」

「何もしないよ。だって、何かしたところで忘れちゃうんでしょ?」

少しだけ間を置いて、蕾は笑って言った。

「それに、忘れたとしても私はきっと、また涼太を好きになる。そんな気がするから。」

その言葉に、胸が締め付けられた。

その言葉は、どんな有名な科学者の言葉よりも俺の心に深く染み込んでいく。

「そっか。なら、よかった。」

それだけ言って、俺たちの会話は終わった。

次の日、蕾は3ヶ月間の記憶をなくしていた。