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第2話

クロノ
クロノ
シロー!こっちこっちー!
シロ
シロ
待ってー!速いよー!
あれから1ヶ月くらい経った。私達はすっかり仲良くなった。クロノも表情が豊かになってきて、本人の前ではアレだが前よりずっと可愛い。
シロの使用人
お嬢様!!
シロ
シロ
あら?どうかしたの?
使用人が慌てた様子で走ってきた。その手には手紙らしき物が握られている。
シロの使用人
ご主人様、ご主人様が!!
…まさか。嫌な予感がした。
シロの使用人
お亡くなりになられたとのご報告が!!
シロ
シロ
そ、んな…。嘘、でしょ…!嘘って言ってよ…!
お父様が死んだ?嘘でしょ?ね?そうだよね…?
シロの使用人
残念ながら…。
クロノ
クロノ
シロ…?
シロ
シロ
…っっ!!
私は逃げるように走り出した。お父様が死んだという現実から逃げるため?…わからない。でも、私はとにかく走る。自分でもどこへ向かっているのかわからない。涙で目の前がぼやけてきた。気づけば知らない崖の道に来ていた。ここは、家の近くにある小さな山なのだろうか。
シロ
シロ
あっ!
ぼやけた視界のせいで崖から足を踏み外してしまった。私は死んでしまうのかな?でも、死んだら私の大好きなお父様、お母様に会えるのかな?…だったら…。
クロノ
クロノ
シロ!!
シロ
シロ
クロノ?!
崖から身を乗り出したクロノが私の手を掴んでいた。
クロノ
クロノ
シロ、ダメだよ!死んじゃ、ダメ!僕、悲しくなっちゃうよ!!
シロ
シロ
やめて!手を離して!このままだとあなたも落ちてしまう!!
すると、クロノはおかしそうに笑った。
クロノ
クロノ
アハハ!そういえば、言ってなかったね!
それから、あろうことかクロノは崖から飛び降りた。
シロ
シロ
ちょっ!!
…って、あれ?落ちない??私は、手を握っているクロノを見た。…そこには、美しい天使の羽を羽ばたかせるクロノの姿があった。
クロノ(天使の姿)
クロノ(天使の姿)
フッフッフ!すごいだろ!
シロ
シロ
てん…し…?
信じられない。天使って確か、この国から少し離れた所にあるレヴィス王国って所にしかいない種族じゃなかったっけ?
クロノ(天使の姿)
クロノ(天使の姿)
僕は天使なんだよ。ねぇ、驚いた?!
シロ
シロ
そりゃあ驚くに決まってるじゃん…。じゃあ、あなたはレヴィスの人なの?
クロノ(天使の姿)
クロノ(天使の姿)
うん!そうだよ!
うわぁ…。クロノの謎がどんどん深まって…。レヴィスって謎が多い王国なんだよねぇ…。何故かはわからないけど、図書館でもレヴィスについての本が少ないし…。
シロ
シロ
じゃあ、なんであなたはこの国…ファリンに来たの?
クロノ(天使の姿)
クロノ(天使の姿)
うーん…。通りかかったから…?
シロ
シロ
いやいや、私に聞かないでよ。てゆーか通りかかったからって…。親には許可取ってるの?
クロノ(天使の姿)
クロノ(天使の姿)
取ってないよ!
わーお!即答か!
シロ
シロ
それって心配してるんじゃ…。
クロノ(天使の姿)
クロノ(天使の姿)
そーだねー。心配してると思う。
シロ
シロ
じゃあ帰りなよ…。
てゆーか毎日帰ったときとか怒られないのかな?まぁ、そこら辺は触れないでおこう。
クロノ(天使の姿)
クロノ(天使の姿)
だってシロといるのが楽しいんだもん!
あっ、それは嬉しい。
シロ
シロ
嬉しくなっちゃうじゃない…。
クロノ(天使の姿)
クロノ(天使の姿)
ん?なんか言った?
シロ
シロ
い、言ってない!!
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 しばらくして、ゆっくりと地上に着いた。
シロ
シロ
結構楽しかったかも…。
クロノ(天使の姿)
クロノ(天使の姿)
本当?!じゃあ、今度は猛スピードで…。
シロ
シロ
やめてやめて!それは絶対にダメ!!
クロノ(天使の姿)
クロノ(天使の姿)
わ、わかったってば!じゃ、さっさと帰ろうか!僕が天使のこと、誰にも言わないでね!秘密!
シロ
シロ
わかったよ!じゃあ、帰ろっか!
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 家に着くと、お姉様が待っていた。
シュナ
シュナ
シロ!無事だったのね。よかった…。お父様が死んでしまったのに、あなたまでいなくなってしまったら、私…。
シロ
シロ
大丈夫です。私はお姉様の前からは消えません。だから、安心してください。
シュナ
シュナ
そう…。ありがとう。
シロ
シロ
私は、お姉様の方が心配です。お父様が死んだことで、お姉様はナヴィア家の当主となります。絶対に無理はなさらないでくださいね。
お母様は働きすぎで死んでしまったのだ。だから、お姉様にはそうなってほしくない。
シュナ
シュナ
シロ…。お姉様は嬉しいわ…!
そう言って抱きつかれて、私はボッと赤面した。
クロノ
クロノ
大丈夫?シロ。
シロ
シロ
だだだだだ大丈夫よ!!
私とクロノのやり取りを見て、お姉様がクスッと笑った。
シュナ
シュナ
シロのお友達さん、あなたのお名前を教えてくださらない?
クロノ
クロノ
僕はクロノ!シロのお姉さん、よろしくね!
シロ
シロ
ちょっとクロノ!言葉を考えて!
クロノ
クロノ
あっ…。
シュナ
シュナ
大丈夫よ、シロ。クロノ君、よろしくね。クロノって言いづらいからクロ君って呼んでもいいかしら?
クロノ
クロノ
好きなように呼んでもらっていいよ!
クロノってある意味すごいな。こんな空気でもいつも通りのほほーんとしてられて。ある意味尊敬する。まぁ、お姉様とも仲良くできそうだしいっか。
シロ
シロ
ねぇクロノ。私もクロって呼んでもいい?
クロノ
クロノ
いいよ!
夕暮れの広い庭園に笑い声が響く。苦しいこと、辛いことがあってもクロといれば、乗り越えていけそう。そう思ったときだった…。