このやり取りは何百回目だろう。
月に3回は必ず家を出るんだ。
そうすれば、彼が愛してくれるから。
家を出た時はいつも親友の家へ向かう。
そして日を跨ぎながら家に帰る。
扉を開ければ彼が視界に移る。
いつも彼は怒っている。
いつも私が彼を怒らせる。
そして夜の営みが始まる。
そう言って腰をガッシリ捕まれ、
荒い息を立てながら中をメチャクチャにされる。
腰を打ち付けられる度に足の先まで
痺れるような快感。
そう言ってゴムの袋を歯で切る彼。
覚悟が必要な時の信号。
そう、これを待ってたんだ。
そして朝、彼は仕事。
私はまた彼が恋しくなる。_______________
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!