11月中旬 .
いくら東京だとはいっても結構もう寒い .
… そして ,
今日はいよいよ代表決定戦の日だ .
墨田区に向かうバスの中 .
わたしはゲームをしている
研磨の隣でそう小さく呟いた .
研磨と睡眠時間変わらないはずなのに .
なんで研磨は眠たくないの … ?
研磨の肩にもたれかかると ,
わたしの意識は
数秒もしないうちになくなってしまった .
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─ 墨田区総合体育館 ─
わたしの言葉に
海先輩は少し困ったように笑ってくれた .
… 海先輩っていつも優しいよね .
試合の様子を見に行っていた芝山が戻って来た .
クロの言葉 .
低くて心地よく ,それでいて真剣な音 .
みんなの表情が和らいだのが分かった .
… 流石キャプテン .
突然 ,背後でそんな言葉が聞こえてきた .
振り返れば
そこには1人の選手が立っている .
ユニフォーム着てるし ,会場にいるって
ことは … ベスト4に残ってるトコだ ,
っていうか今 …
“ 決定力に欠ける ” とか言ってなかった?
煽ってくるような発言に腹が立つ .
良かった ,
腹が立ったのはわたしだけじゃなかった .
山本先輩は
煽ってきた相手に威嚇の姿勢を見せた .
クロはこの人と知り合い … ?
お互いに
しょうもない事で罵り合っている .
なんかすごくわたしが恥ずかしい .
言い合いをしていた2人の間に第三者の声 .
その声は
トイレから戻ってきた灰羽のもの .
堂々と登場しておいて
数秒後にはこの会話 .
大将の絵文字がツボです .
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎→
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!