「 決勝で会おうぜ!!! 」
そう言い合ったあと ,
クロの知り合いらしき人は去っていった .
そのまま試合会場へ足を踏み入れた .
扉を開けた瞬間から応援の声が私の耳に響く .
クロが緊張なんてらしくない .
なんて思っていると ,
反対側の入口から
ちょうど梟谷が入場してきた .
全国5本指だもんね ,
そりゃぁ …… 多少緊張しちゃうか .
体育館に入ってきた木兎先輩は
わたしを見つけて大声をあげた .
そしてさらに手を振ってくる .
お願いだからやめて ,注目されてるから .
大声出して話すくらいなら近付けばいい .
余計注目されちゃうから辞めてほんとに .
「 「 ふっくろうだに!! ふっくろうだに!! 」 」
大きな拍手と共に聞こえてきた応援団の声 .
梟谷のだ ,すっごい人数 …… .
「 「 行け行け音駒!! 押せ押せ音駒!! 」 」
今度は頭上で音駒の応援 .
わたし的にはこのくらいで十分 .
声量だって梟谷に負けてない .
あ ,灰羽のお姉ちゃんと山本先輩の妹いる .
観客席を見上げると
灰羽のお姉ちゃんと目が合った .
笑顔で手を振ってくれたから ,
わたしも軽く振り返した .
あー … ストップ ,状況が理解できない .
福永先輩に関しては
どう反応していいかわかんない .
𝙉𝙚𝙭𝙩 →
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。