相変わらず灰羽は … なんて言うか … .
まぁ元気でポジティブなのはいい事だよね .
________ 引き続き
シューズの擦れる音が鳴り響く .
灰羽のスパイク ,烏野のサービスエース .
山本先輩が楽しそうに頬を緩めた .
わたしが知らない所で
あの5番の人となんかあったのかな .
まぁ … わたしが気にする事じゃないし
正直そこまで興味もないんだけれど .
________ 2度目の5番のサーブ .
さっきと同じような豪快で速いサーブだった .
それを山本先輩が綺麗にレシーブ .
ボールはちゃんと研磨の頭上 .
研磨は福永先輩へとトスを上げ ,
それを綺麗に決めて見せた福永先輩 .
コースの打ち分けが上手で
空いてる場所をよく見ているんだ .
ふと福永先輩がこっちを向いてグーサイン .
突然の出来事だったせいで
わたしは首を傾げることで精一杯だった .
________ ピピー
ここで烏野が
リリーフサーバーとして山口を入れた .
打ち出されたボールは
福永先輩がオーバーで処理 .
研磨がトスを上げ
山本先輩がスパイクを決めた .
… 無事に山口のサーブを1本で切れた .
それから暫く
取って取られてを繰り返して ,
また日向が前衛に戻ってきた .
記録用紙とは別のリングノートを広げて
シャーペンを2回ノック .
日向から目を離さずに
少しずつ攻撃のパターンを暴いていく .
日向やっぱり速い … あ ,灰羽ついてる .
── ダダンッ … ! ピッ !!
“ 意気込みすぎたか日向翔陽! ”
“ スパイクは惜しくも
サイドラインを割ります! ”
実況の人の声で ,
日向がスパイクをミスったことを理解した .
灰羽を意識したのか … .
さっきのネットタッチと同様 ,
いまの日向のミスは “ 偶然 ” じゃない .
𝙉𝙚𝙭𝙩 ♡ × 170
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!