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2020/11/17

第3話

ブルースター
夜に彼女の家へ向い、星の図鑑で足の踏み場も無くなった部屋を通り抜け、ベランダへ向かう。そうすると夢中になって望遠鏡を見つめている彼女がいる。
「かーくん!見てみて!新しい星!!」
夜にも関わらずでかい声で叫ぶ彼女。
興奮しているのが目に見える。相変わらずだ。
望遠鏡を覗くと、小さな星があるのを見つけた。今まで見た事がない。
「図鑑にも載ってないんだよ!これ私達の星にしよう!」
「そうだね。なんて名前?」
「うーん、、華と海人で見つけたから……」
「……あおがんぴ……」
考える彼女より先に俺が言った。
「なにそれっ!!」
「この時期に海岸に咲く花。華と海だから」
「わぁ〜凄い!!かーくんって花に詳しいよね!」
確かに。人よりは明るい方だ。でも、彼女の星好き程ではない。ここまで熱中できはしない。
「アオガンピかぁ……!ふふふっ
私ね大人になったら宇宙飛行士になりたい!
アオガンピまで行きたい!」
「じゃあ俺も」
「うん!一緒に行こーね!」
それから6年後、学校の帰りに彼女は突然倒れた。
俺は通行人に頼み、救急車を呼んだ。
人生で初めての事だった。
彼女は救急車に乗せられ、俺も付き添いで乗った。
病院に着くと、後から彼女の親が肩を揺らして青ざめた顔をして到着した。
余裕の無い声で海斗くんごめんねと一言言って医師から状況の説明を聞いていた。
まただ。なぜ彼女が
帰宅してからそんな事を思っていた。
それから俺は不登校になった。
学校が終わる時刻ぐらいに彼女の病室に通う毎日だった。
しかし、中学3年にもなるとさすがに登校日数を稼がなければならないと親や担任からやんわり言われた。
仕方なく登校を再開した。
彼女の病状は良くはならなかった。
薬の副作用で日に日に薄くなる髪を隠す為に帽子を被りいつか見た事のある姿が目の前にあった。
「もぉ、髪抜けちゃうのどうにかして欲しいなぁ。
えへへ、今の私可愛くないでしょ?」
明るく振る舞う彼女にどう振る舞えばいいのか俺には分からなかった。
かわいいそう言えば良いのだろうか。
「別に。」
彼女は聞いておいたくせに興味無さげにふーんとだけ言って望遠鏡を覗いている。
「アオガンピね。だんだん光らなくなってるの。
私達が行く前に、もしかしたら消えちゃうかもね。」
「星にも寿命があるからな。」
「なんで神様は“寿命”を作ったんだろうね。」
「俺が聞きたい。」
「神様は意地悪だなぁ」