第4話

償い
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2018/03/24 03:26
『貴方のせいじゃないよ』

ん....
家に着いていつのまにか眠っていた

また同じ夢を見た。
だけど今度ははっきりとしていた

夢の中でいつも泣きそうな顔をしている女の子

"桜木桃華"

ずっと忘れていた
ずっと忘れようとしていた

春樹に言われたことを全て思い出した

桜木桃華は俺の彼女で

あの時俺はあの桜の木の下に呼び出した
理由はただ会いたかったから。

そんな理由で俺は桃華を殺してしまった

俺が呼び出さなければ事故は起こらなかった

居眠り運転をしたトラックに桃華はひかれなくてすんだ。

桜の木はぶつかった衝撃で折れてしまった。

死んだのが俺だったら。
桃華より先に俺が行ってれば

何度も自分を恨んだのを覚えている

「桃華....ごめん。ごめん俺のせいで...」

『裕太は悪くないよ』

「も、桃華....?」

『裕太。思い出したんだね?』

「忘れててごめん、忘れようとしてごめん」

「一生罪を背負っていかなきゃだめなのに」

『そんな風に謝らないで、罪を背負うなんて言わないで』

『そんなことされたってなにも嬉しくない』

「でも....!」

『裕太!!」

「.......」

『私が何でここにいるかわかる?』

「俺を恨んでるから...?」

『違う。貴方に幸せになってほしいから』

「俺に幸せになる資格なんてない」

『裕太が私に悪いと思ってるなら幸せに生きて!!』

『私の分も幸せになって?』

「桃華.....」

『お願い。そんなに自分を責めないで』

『私は大丈夫だから』

「......ごめん。」

『謝るのはもうなしっ!』

「ごめ....ありがとう」

『うんっ!こちらこそ!』

『幸せにならなかったら呪うんだからね?』

「こわっ....それだけは勘弁だな...」

『嫌だったら約束、守ってね?』

「うん。もう忘れない」

「何があっても」

『ありがとう!そろそろいかなきゃ』

「うん.....ありがと」

「好きだよ」

『私もっ!けど私よりもっと好きになれる人を見つけてね!』

『じゃあね!』

「うん、絶対見つける」

「ばいばい」


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