僕とクレフ兄さんが、「ウチ」に着いたのは、その日の午後だった。
そのあとクレフ兄さんは、僕の怪我したところにしっかり手当しながら、「ウチ」に着いて教えてくれた。
ここはSCP財団といって、さっきのワニくん……「不死身の爬虫類」くんみたいに、自然法則に反した生物・物品・現象とかを収容、捕獲、……あとなんだっけ?まあ、とりあえず世界の平和を保ってる財団らしい。
だから僕はこれから、ここで世界の平和を守るお手伝いをできるってわけだ。
ちなみに、ワニくんは丁度外に出て暴れ回ってたらしい。さっきちゃんと、自分の部屋に戻ってご飯を食べたと聞いたので、心底安心した(何故か申し訳なさそうにしてたらしい)。
そうして手当てをしてもらって、クレフ兄さんは僕用の部屋に案内してくれた。
そう言って、クレフ兄さんは頭を掻く。
でも、こんなに大きなベット、
今まで見たことない……
そう伝えて、ベットにダイブする僕。
そんな僕を見て、クレフ兄さんは、
そう言って笑った。
僕が二ヘラっとすると、
兄さんは「あっ」とだけ呟いた。
そう言って、執事さんみたいにドアを開けてくれたクレフ兄さん。
そう伝えて、外に出る。
僕は、兄さんの後について、ゆっくりと歩き出した。
相談室的なところ
着いたところは、小さなドアの前。
兄さんがコンコンとドアをノックする。
僕は少し、緊張していた。
グラス博士………一体どんな人なんだろう。
奥から、男性の声が聞こえる。
ガチャ
クレフ兄さんが、先に奥に入っていく。
それに釣られて僕も、部屋の奥へと進んでいく。
クレフ兄さんが、僕の肩を抱きながら言った。
そう言うと彼…グラス博士は目を細めて、にこりと笑った。
突然、会話を聞いていた
クレフ兄さんが笑い出した。
それに釣られて、グラス博士も笑い出す。
僕は、頭の中が?でいっぱいになってしまった。
僕が座ったのを見て、クレフ兄さんはドアを開けて
手を振りながら部屋を出ていってしまった。
そう言うとグラス博士は、目を丸くしつつも、大きな声で笑った。
今日だけで何回人に笑われただろうなんて思いながら、少し首を傾げる。
グラス博士が、にっこり笑ってそう言うもんだから、少し照れくさくなってしまった。
そう言って頭をポンポンしてくるグラス博士。
目を細めて、言った。
その、優しくもどこか色気を含んだ顔に一瞬、
クラっとしてしまった。
グラスと手を繋いで、
僕はカフェテリアへと向かうので合った。
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【今回のSCP】
・グラス博士(グラッシー)
グラス博士の人事ファイル
http://scp-jp.wikidot.com/dr-glass-personnel-file
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!