あなたside
『えっと…成瀬あなたです!
実は私もあなたの事をよくは
知らないんです…』
「え?」
そういって私はおよそ3時間前の出来事を
彼に伝えた
「そうでしたか…ご迷惑をお掛けしました」
敬語も使える、体温計の使い方もわかる
記憶喪失っていっても、
そんなに重大なものじゃないみたい
中には、ご飯の食べ方や、歩き方まで
忘れてしまう症例もあるって
教授がおっしゃっていたから
焦ったけど
とりあえず良かった…
『とりあえずご飯食べましょ!
お腹になにか入れないと
薬も飲めないですし…
喉の痛みとかはありますか?』
「いや、喉はそこまで…
でも、体がまだ重くて。」
『そうですよね、
一応お粥と茶碗蒸し作ってみたんですが…
食べられそうですか?』
「わぁおいしそうです( ˆᴗˆ )
これならいけそうです」
『良かった!食べたらお薬飲んで
ゆっくり寝て下さい!
先のことはとりあえず風邪を治してから
にしましょう!』
「はい!ありがとうございます…!」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。