第19話

知りたくなかった①
3,188
2021/04/30 12:21
あなた
あなた
…?


今日もリヴァイのところに訪れていた。

兵長室の扉をノックしようとしたけど、
中から話し声が聞こえる。

あなた
あなた
(ハンジさんかな…)


よく耳をすました。



リヴァイ
リヴァイ
用がないなら出て行け
???
リヴァイ
リヴァイ
おい、聞こえないのか?


なんだか険悪な雰囲気…












???
…兵長のことが好きです。
あなた
あなた
(?!)
リヴァイ
リヴァイ
…あ?
リヴァイ
リヴァイ
悪いが俺には
???
彼女さんとは別れていただけませんか。
あなた
あなた
(う、嘘でしょ…)

リヴァイ、モテるんだ…
わかっていたつもりだった。




リヴァイが私と別れて別の女の人と付き合う…
そんなことが、ないとは言い切れない。

そんなこと、想像したことがない。
想像したくもなかったから…



あなた
あなた
(リヴァイは…
 私のどこに惚れたんだろう)


私なんて、別に際立つような美女でもない。
普通の、ごく普通の女の子。


あなた
あなた
(今、告白してる子の方が…
 私より可愛いかもしれないな…)
リヴァイ
リヴァイ
ーーーーー
???
ーーーーー
あなた
あなた
(はっ)
あなた
あなた
(会話聞いてなかった…)



私はもう一度耳をすました。



















リヴァイ
リヴァイ
彼女にも、周りにも
俺とのことは秘密にしてくれ、頼む
あなた
あなた
…え?


心臓が跳ねた。



あなた
あなた
(何が秘密なの…?)
あなた
あなた
(まさか…浮気?)


秘密にするってそういうことだよね。




あなた
あなた
(やっぱり…私じゃなくても…
 よかったんだ、、)



私は辛くなってその場から逃げた。





走った。

どこに行けばいいかわからなかった。


家まで帰るか?
でも、いずれリヴァイが帰ってくる。
…面と向かって話せない。



気付いたら涙が溢れていた。
あなた
あなた
うっ…うぅ、、泣



兵長室から遠く離れた場所で
座り込んで泣いた。




あなた
あなた
もっと…グスッ、、可愛く、なりたい…泣



しゃくりあげながら泣いた。














ミカサ
ミカサ
あなた…?
あなた
あなた
…っ、、泣
ミカサぁ…、、、
ミカサ
ミカサ
どうしたの?!
ミカサ
ミカサ
エレン!あなたが…!
エレン
エレン
お前!!いい加減にしろよこのっ…!!
ミカサ
ミカサ
エレン!!ジャンはほっといて!!
ジャン
ジャン
この死に急ぎ野郎が!!!
ミカサが呼んでんだろ!!行けよ!!
エレン
エレン
あ?!なんだって?!
ミカサ
ミカサ
エレン!!!!!!!
エレン
エレン
はっ
エレン
エレン
ど、どうした…
ミカサ
ミカサ
あなたが泣いてる!
ジャン
ジャン
なんで泣いてんだ?
エレン
エレン
お前はあなたと友だちじゃねぇだろ、
早く帰れ。
ジャン
ジャン
おいおい、俺だって話ぐらい聞くぜ?
ミカサ
ミカサ
なんでもいいから早くして。
あなたの話を聞く。




私はミカサたちにあったことを話した。









ジャン
ジャン
お前があのリヴァイ兵長と
付き合ってる奴だったのか…
エレン
エレン
相手の顔は見たのか?
あなた
あなた
見てない…
ミカサ
ミカサ
あのチビ…然るべき報いを…
エレン
エレン
待てミカサ、俺も行く
ジャン
ジャン
は?お前ら何するつもりだよ
ミカサ
ミカサ
何って…わかるでしょ



ミカサは兵長室の方を指さした。




ミカサ
ミカサ
あのチビをボコボコにする。
ジャン
ジャン
ボコボコだって?!やめとけよ!
ただじゃすまねぇぞ?!
エレン
エレン
兵長は俺と約束したんだ。
あなたを必ず守るって。
エレン
エレン
なのに見ろよ、あなた泣いてんだぞ…
ミカサ
ミカサ
許さない…
ジャン
ジャン
おい…リヴァイ兵長に一回
話だけ聞いてみようぜ?
ミカサ
ミカサ
そんな必要はない。
ミカサ
ミカサ
エレン、行こう。
エレン
エレン
あぁ
ミカサ
ミカサ
ジャンはここであなたと待ってて。
ジャン
ジャン
お、おい…



ミカサたちはそう言って、
私たちに背を向けた。







ジャン
ジャン
あなた…あいつらに任せていいのか?
あなた
あなた
…わからない、、、



もう何もわからない…考えたくない…

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