〈 雄登side 〉
はぁ 。あいつと 電話してたのかよ 。
あなたの手料理 食べれるとかさ 、、
あなた は 、さっと 髪の毛を1本に束ねて 、
エプロンを 付けて キッチンへ向かった 。
キッチンから聞こえる卵を割る音 。
焼いてるいい音 。
すっごい 、いい匂いで 、今すぐ食べたい 。
匂いに連れられたのか 、いつの間にか俺は
キッチンにいた 。
『 あなたと兄弟やめたい 』
なんかそう思って 、俺は オムライスを作ってるあなたを
後ろからそっと 抱き締めた 。
なんか 、悪いことしちゃったな 。
兄弟なのに … 、、
俺は 『 は〜い 』 って返して 、少しの間
1人になった 。
今 聞こえてくるのは 、スプーンが食器に当たる音 。
お風呂場から 聞こえる シャワーの音 。
あとは 、特に何も聞こえない 。
あぁ 、2人って寂しいな 。なんて 考えながらも
俺は あなたに作ってもらった オムライスを
食べ続ける 。
はぁ 。あなた 、早くあがってこないかな 。
なんてね 。兄がこんなこと言ってたら 、絶対に嫌われる 。
だから 、心で思ってるんだ 。
口には … 出さないように …… 気をつけてた 。はず 。
そうだった 。あなた は 結構はやく
出てくる人なんだった 。
いやいや 、、、、、声にでてたってこと !?
あなた は その一言を言ったあと 、
バタン 。と 自分の部屋に入ってしまった 。
はぁ 、怒らせちゃったかなぁ 、なんて 。
俺も 、洗い物をしてから 自分の部屋に戻った 。
考え事とか 、、色々してたら 寝てた 。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。