第36話

36話
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2023/09/27 09:00
夏油傑
こっちだよ
篠瀬しのせ あなた
お邪魔します




案内された彼の部屋は


綺麗に整頓されていると言うより物が無い




最低限の日用品と装飾

落ち着いた和室





なんとも彼らしい






篠瀬しのせ あなた
傑さんの部屋、落ち着くね
夏油傑
そうかい?
篠瀬しのせ あなた
傑さんの匂いがする
夏油傑
自分じゃよく分からないな






彼に近付き




少し背伸びをして胸板に手を置き

首筋当たりの甘美を嗅ぐ




落ち着くウッディ調の香り


私はこれが大好き





夏油傑
擽ったいな




そう言いながらも拒否してこなくて


私の頭に手を置き

優しく撫でてくる






篠瀬しのせ あなた
私ね、傑さんの手好き






彼の手を両手で重ね

頬に擦り合わせる、温かい。







夏油傑
私でいいのかい?
篠瀬しのせ あなた
傑さんだからいいんだよ?





今日はもう疲れていると思っていたけど


今だけ神経が研ぎ澄まされている







血液が逆流しているような感覚








夏油傑
私のせいで此処に囚われて……。



斜め下に視線を逸らし

眉を顰め顔を歪ませる





そんな彼の両頬をしっかり挟み

視線を合わせて伝える








篠瀬しのせ あなた
たしかに最初は良い人なんてお世辞にも言えなかった。でも言ったでしょ?
篠瀬しのせ あなた
第一印象だけがその人の価値じゃないって
私は私の意思で ここ 貴方のもとにいるの





月長石のおかげかな







その日その時 初めて



自分から彼と唇を重ねた













𝐍𝐞𝐱𝐭
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今日あと1話更新するので……!!
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