カーステレオから流れる
歌詞のよく分からない洋楽を聴きながら
ウトウトしているとそう言われた
5分程として着いた場所
駐車場に車を停め
降りた先に広がる景色は
目の前に輝く白波
夕方、海開き前のビーチには私たち2人だけ。
波打ち際が泡立ち
引いては漲っての繰り返し
あぁ、青が輝いている
心の奥底から綺麗だと思った
たった2ヶ月半見なかった外の景色は
鮮やかで輝いていて
その中心にいる彼の笑顔が
周りを色褪せさせる程に眩しく見える
彼がポケットから出したのは
小さな箱に入ったピアス
それに着いている青い宝石
あの眼みたいな
吸い込まれるような青
夕日に照らされて
キラキラと輝いている
彼は狡い
本当に狡い男
私にムーンストーンをあげるなんて。
"恋人たちの石"
𝐍𝐞𝐱𝐭
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。