第28話

28話
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2023/09/24 07:10
夏油傑 side






2016年 6月20日

監禁から60日が経過







最近のあなたはまるで
私を愛しているかのような

そう錯覚させる態度




篠瀬 あなた
傑さん暑いよ〜
夏油傑
暑いならくっつかなければ良いじゃないか



私の横にベッタリくっつき

暑いと言う矛盾した言動




篠瀬 あなた
暑いけど傑さんの横落ち着く




なんて狡いひとだろうか





つい1ヶ月前まで

あんなに酷い事をしてきた相手に





夏油傑
おいで



私が腕を広げると

背中に手を回し抱きついてくる




人間らしくて温かい







彼女は何故こんなにも嬉しそうなのか
何故私なんかを慕っているのか
何故過去を無かった事にできるのか







私の胸に顔を埋める小さな存在が

愛おしく思える。






あぁ、私にも人間らしさが遺っている







夏油傑
あなたさえ良ければ今度外に出てみないか
篠瀬 あなた
2人きり?デートじゃん!



ぱっと顔を上げ

目をキラキラさせる


夏油傑
嬉しいかい?
篠瀬 あなた
当たり前じゃん、傑さんの事もっと知れるもん





眩しい

光と影のような私たち






あなたが私を慕ってくれたところで


私がした事を無かった事にはできないし
あなたが許しても
私が私自身を許せないだろう。











あなた、君みたいな人は私なんかを信用しないで欲しい







脳内に"ストックホルム症候群"という言葉が

ちら着いたが気にしない事にした。











救えない程に熱い夏










𝐍𝐞𝐱𝐭
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