第61話
うるさい、
*あなたside*
『あらおかえりあなたちゃん』
『………ただいま…………』
美紀さんの言葉にいつも通りに返せないままフラフラと自分の部屋への階段を上る。
私のいつもと違う様子に気付き、何か声をかけられたような気がするが多分聞こえてない。
というか聞こえなくらい頭の中は別のことでいっぱいだった。
おぼつかない足取りで部屋までたどり着き、制服のままベットに倒れ込む。
制服にシワがつくなんて今はどうでもいい。
*ごめんね、好きだよ*
るぅとくんの言葉が脳内リピートされて、叫びたくなる。
私ってこんな軽い人だっけ…………。
たったその一言で、私の心は揺れに揺れまくっている。
好きになった訳では無い。
でもどうしても頭から離れない。
気になってしまう。
意識してしまう。
全く気付かなかった。
るぅとくんがそう想っていたなんて、1ミリも。
大体のことなら勘がいいから察せられるけど、今回ばかりは分からなかった。
まあ、るぅとくん何考えてるかあんまり分かんなかったりはしたけど………。
そっと唇に手を添える。
『…………うあぁ…………』
低く掠れて、喉の奥から絞り出されてきたのはそんな声。
でもそんな感じだよ。私の今の心の中は。
でも同時に浮かんでくるのはころん。
消え去らないのはころん。
リミットまで、もうあと少し。
はやく、諦めなきゃ。
ころんとは付き合いたいけど付き合えないんだって。
ころんの事を大好きだけど叶ってはいけないんだって。
ころんにもずっと好きになってもらってはダメなんだって。
そのまんまでいたら、傷付くのはころん。
いや違う。
私だ。
私のために、ころんを切るんだ。
自分勝手でごめん。
ころんもるぅとくんも、こんな私を好きにならないで。
そうして辛くなるのは、私だから。
誰かに愛されたいって思った事は何度もある。
でもね、今はもうダメなんだ。
さよならするくらいなら、もう何もかも捨てた方がいい。
無かったことにした方がいい。
そうしたら死ぬ時何も未練がないでしょ?
私が思うんだから本当だよ。
*………本当に、未練は無いの?*
そうやって問いかけるのは、また私だ。
本当の事を言えってゆあに何度も言われた。
何度も考えた。
本当の事を言ってしまおう。
だけど、そうして浮かんでくるのはころんの悲しそうな、傷付いた顔。
もう会えないっていうのにそんな顔はされたくない。
してほしくない。
*でも、何も言わずに去ったらもっところんは悲しむよ?*
そうしてループする。
『ずいぶん泣き虫になったな、私………』
全部全部ころんのせいだよ。
『あなたちゃーん、起きてる?』
『ふぁ!?あ、はい…』
急にドアの外から声をかけられ、びっくりしてベットから起き上がった。
びっくりしすぎて変な声が出た気がするけどまあいいや。
『どうしました?美紀さん』
『あのね、明日一日中家を空けることになってね、あなたちゃん1人になっちゃうんだけど………』
『あー、友達と旅行でしたっけ?ゆあも塾の合宿ですよね確か』
『そうそう。でね、あなたちゃん1人だと心配だから私の知り合いの家に預けてもらおうと思ってね』
『あ、あーなるほど………。心配しなくてもw』
『ごめんねww とりあえず、学校終わったらその人の家に直接的行ってね。荷物は私が送っておくから~』
『ありがとうございます。ちなみに、お世話になる方のお名前は?』
『青柳さんって人よ。あなたちゃんが通ってる病院で看護師さんやってるから、水アレルギーのことは話したわ。』
『了解ですー。…………………え、青柳?』
『そうそう青柳さん。確かあなたちゃんと同い年くらいの息子さんも1人いらしたはずなんだけど……。』
ちょっと待って。
青柳って珍しい苗字だよね。
しかも同い年くらい?
『…………近所に住んでます?青柳さん。』
『そうね~』
ハイ終わった。
終わった。(2回目)
こんな時に一晩一緒に過ごすの?
神様は私に死ねと言っているんでしょうか死ぬ。
そんなの、まともにころんの顔見れないよ…………。
話すとなったら話題は?
あれを言うの?
言わないの?
………もういいどうにでもなれ。
後悔なんてしまくりだよ。
今更後悔してなんになる。
何も怖くないでしょ?私。
*本当にそう思ってるの…?*
───────うるさい。
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そういえばころわん奇跡的に当たりました。
叫びすぎてうるせえって言われました。
すみません。(今更)
お友達と連番ですわいてきます。
そしてころわんでの半出会い厨やってます(〜'ω' )〜
物販行く人とかいらっしゃれば是非一緒に出会い厨しましょう(((´˘`*)