--------------------ころんside------------------
高校生活最後の1年が始まって、今は9月。
新しいクラスになって約5ヶ月。
…あなたと出会って、5ヶ月
特に変わったことは無い。
強いて言うなら
あなたへの気持ちが、より、深まった。
多分、一目惚れかもしれない。
いや、違うかな
最初はあんなぶっきらぼうに接していたけど
あなたの中身を知るたびに、どんどんあいつに溺れてった
いつも明るく振る舞うあなた。
その笑顔にたくさんの人が夢中だ。
まあ、僕も、その中の一人なんだけど……←
想いは深まっても、僕達の関係は何も変わらない。
前よりは仲良くなったとはいえ
微妙な関係。
友達以上恋人未満…………みたいな?
前、あなたLIMEをした時、こんな会話があった
違うんだよあなた…
ちゃんとホントの好きな人しか言ってねえよ…
結構攻めたと思うんだけどな。
鈍感なあなたは
難しいあなたは
簡単に落ちてくれない
絶対に僕が落としてやる。
覚悟しててよあなた。
僕がこんなんになったのも
あなたに夢中になってるのも
全部、あなたのせいなんだからな_____
---------------あなたside-------------
「ほんと、あなたは可愛いね」
「大好きだよあなた」
「絶対に俺から離れんなよ」
「好きで付き合ってるんじゃねえよw」
「え?だって可愛いじゃん」
「隣にいるだけで皆に自慢できるだろ?w」
「あとは襲えればラッキーだなあってwwww」
「あんたの顔を見たらイライラする」
「どうしてあんたはあの人の顔に似ちゃったの」
「どうせならもっとブサイクで産まれてきてくれればよかった」
「君はいらない子みたいだね」
嫌い。
全部、嫌い。
どうして?
私の何がいけなかったの?
顔?
よく見る少女物の小説。
あまり顔は優れていない主人公
それでも人柄でたくさんの人に愛される主人公
超絶美少女でマドンナとして輝くヒロイン
何不自由ない生活で幸せな人生を送るヒロイン
「可愛い」と言われて毎日が明るくなるヒロイン
どうして
同じ言葉なのに
こんなにも意味が違うのだろう
見た目じゃなくて
私の、この、汚れきった中身を
心の底から愛してくれる王子様は
この世界にいますか____________?
もし、いるのならば
私を
救ってください__________________
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。