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第41話

笑えるなら



------------------るぅとside------------------













あなた「いやあ、単刀直入に言うと、私親に虐待されてたんだよねー」





『そうなんだ…………って、は?』





あなた「いや待って怖いよ腹黒出てるよ笑」




『いやいやいや、え?え??』












想像の斜め上を行く言葉があなたちゃんの口から滑り出した。









あなた「と言ってもお母さんからだけどね」





『お、お父さんは………?』





あなた「…………お母さんってかなり自分の理想を追求する人で。だからお母さんの理想になれなかったらヒステリックにわめいて…………。嫌気が差してお父さんは出て行っちゃった笑」





『いや、笑い事じゃないでしょう………。』





あなた「でも笑ってないとやってらんないよ。………まあそれで、出て行ったお父さんはお母さんにとって*逃げ出した臆病者*みたいに映っちゃって。それでなんでか知らないけど、お父さんと私の顔が似てるからか、私の顔を見るたびにお父さんを思い出すみたいで。」





『…………自分の理想とかけ離れたお父さんとあなたちゃんが重なるって事?』





あなた「そう。だから私に当たってきたり。最終的にはどうしてもっと不細工で生まれてこなかったのーって。意味わかんないよね笑 普通逆じゃん。」





『あなたちゃんは十分可愛いって思ってたんじゃないです?』





あなた「………天然たらしだあ………」





『え?』





あなた「いや何でもない() まあそれで…………なんやかんやあって、お母さん再婚するんだよね。」






『相手の人ってどんな………?』





あなた「うーん、普通の人だったかな。最初はおとなしい人だなーって。いい人そうだなーって思ってた。」





『あー………ならまだ良かった…?』





あなた「…そうかもね。そしたらちょうどその時水アレルギーを発症するようになって。……2年前の話かな。私が高1の時。」





『え、生まれつきじゃなかったんですか?』





あなた「そうなんだよ。それまでは全然大丈夫だったし、プールに入ってたりしてたのにね。…………んまあ、そのことが原因でお母さんは更に豹変するわけで。お母さんの理想とはかけ離れた私になっちゃったから。そうなってくると流石に再婚相手の人に私とお母さんの間の闇を知ったんだよね。…………そしたらその人、私になんて言ったと思う?」





『うーん…………いい人そうって言ってたし、大丈夫?みたいな?……よく分かんないですけど』












するとあなたちゃんは吐き捨てるようにこう呟いた。











_________君はいらない子みたいだねって_________


















『っえ……………………』






あなた「そりゃそういう反応なるよね…笑 私だってなったもん。フッて鼻で笑いながら言われちゃった笑 ……私が勝手に信用してただけだけどさ。ストレートに言われると傷付くし、もうなんか限界だった。………だから家出て、美紀さんに助けてもらって、今ここにいる。」





『あの絵をいい思い出無いっていうのは………*幸せそうな家族*が映ってるから?』










うん、とコクリとうなずくあなたちゃん。









『えっと………………もしかして、いつもハイネックのやつ着てるのって……………傷が残ってるから?』





あなた「ピンポン。あたり。察しがいいよねるぅとくんは笑 理解してくれて嬉しい。」





















あなたちゃんはざっくりとしか言ってないから、本当はもっと色んなことをされてきたんだろう。








僕には図りきれないような事まで。きっと。














なのにあなたちゃんはさっきから笑顔を絶やさない。











今にでも泣きたいはずなのに……………






































多分、この仕事は僕がするべきものじゃ無いんだと思う。








これを知られたらころちゃんに怒られるんだろうなあ笑








でも、こうでもしないとあなたちゃんは、少しでも楽になれない。はず。
























『…………………あなたちゃん。』






あなた「…ん。どうしたの?」






『ちょっと失礼します。嫌なら拒んで。』






あなた「え、…………………………………え?」






















僕はほんの少し躊躇いながらもあなたちゃんをそっと抱きしめた。



























あなた「っえ……………る、るぅとくん、何して…………」






『……………無理して笑わなくてもいいんです。泣きたいなら泣いてもいいじゃないですか。』





あなた「……無理して笑ってないよるぅとくん。」





『………嘘つき。』





あなた「………………嘘付いてないよ。」














































あの日、あなたちゃんがバスケ部に転部してきた日。









1on1を終わった後、なんだか顔色が優れないあなたちゃんが気になって様子を伺っていたら、たまたまあなたちゃんとゆあさんの会話が聞こえてしまった。




















*あなたは体が…………ボロボロなの忘れないで。動き過ぎて汗かきすぎるとか傷口開くとかもあるんだからね。*


























知ってしまったその時からずっとずっとあなたちゃんの事が気になっていた。








喋ってるときの、笑ってる時の表情もどこか固かったり。






でも暗いときの表情は…………なんというか、本気というか。


心の底からって感じが強いように思えた。














さっきまでだって、笑いながら話していても腑に落ちない表情。















というか普通に考えて、あんなものを背負っているのに笑えるわけない。






















『……………………………』





あなた「……………………………」






















どうしたら*本当の*あなたちゃんを見せてくれるかな。







何したらいいかわかなくてただただ抱きしめ続ける。

















あなた「…………私は泣かないって決めてるの。」






『………なんでですか。』






あなた「泣いたら、逃げてるみたいで、負けてるみたいで嫌だから。…………あの人と縁を切るまでは、絶対。」





『……………身勝手かもしれないけど、僕はあなたちゃんに心の底から笑っていてほしいです。僕だけじゃない、皆おんなじだよ。泣く事は逃げなんかじゃないです。……………あなたちゃんは十分頑張ってる。たまには、自分に*ご褒美*をあげてもいいじゃないですか。』





あなた「……………ご褒美って………笑 何それ…笑」





『もう!笑わないでくださいよ!!なんて言ったらいいか分かんなかったんです!』














自分でも何言ってるか分からない。





でも、変に綺麗事をいうよりかはずっとマシだと思う。










……………まあ、今のでも十分綺麗事ですね。














あなた「……………ねえるぅとくん。」





『………………何でしょう。』





あなた「………るぅとくんの服、濡らしちゃってもいい?」





『!!…………良いですよ。好きなだけ濡らしてください。…あ、肌に、触れないように。』




あなた『…………うん。ありがとるぅとくん。』





















そう言ってしばらくすると、あなたちゃんの目が押し付けられている部分が少し冷たくなってきたのがわかった。









やり方はあんまりよくないかもしれないけれど、それであなたちゃんが笑えるなら良いと思える。


























冷たくなってきている部分。顔から全身へと熱くなっている僕を冷やしてくれて、心地が良かった。