第32話
空いている席
-------------あなたside-----------
先生「はーい、それじゃ出席とるぞー」
今日もまた長い一日が始まる。
天気はあいにくの雨。
あんまり雨は好きじゃないんだよなあ
だってジメジメするし、暗いし、外に行けないし、それに……
先生「っと……白城は………休み、か。」
ん?あれ?
白城さんなんてこのクラスにいたっけ………?
『ねえころん』
こ「ん?」
『このクラス、白城さん?なんて居たっけ?』
こ「うっわ、お前クラスメイトの名前も覚えてねーの??wwwww最低だなwwwww」
『違うって!!マジで知らないの!!そもそも白城さん、学校来てた…?てか白城さんって誰()』
こ「……白城 水葉(シラキ ミズハ)。僕、白城さんと3年間同じクラスだけど1回も喋った事ないから良くわかんないや」
『えっそれはやばくね?()』
こ「なんかなあ、白城さん。普段もあまり来なかったりするけど、雨の日は必ず休んでるね」
『雨の日…だけ……。なんで?』
こ「さあ……。それは誰も知らないんだよね。だから皆好き勝手に言ってる。白城さん、家遠いんだよ。だから雨の日に来るの面倒臭くて休んでるとか…」
『………ふーん……』
こ「何その反応。どうしたの?」
『いや…なんでもない。ただ、その子と喋ってみたいなあって』
こ「喋って何すんのコミュ障が」
『は?バカにしてんのか』
こ「してますが何か」
『私ころんのこと嫌いだわ』
こ「僕は好きだけどね」
『…………嫌いだわ(2回目)』
こ「WWWWWWWWWWWWWWWWWW」
雨の日だけ来ない……かあ。
何か事情があったりするのかなあ……
白城さんの席は私とは離れていて、前の隅の方にある。
その席は誰も居ないし、荷物もない。
だけど私にとっては異様なまでの存在感を放っているように見えた。