---------------------あなたside-------------------
目が覚めると見覚えのない天井が視界に入り込んできた。
どうやらここは病室らしい
あれ………………私さっきまで真っ暗闇にいて………それで……………
どうしたんだっけ?
あれ?
忘れた…………???
まあいいや(
とりあえず………病室には誰もいないし…ナースコールで誰か呼んだほうがいいかな。
ナースコールを押すとびっくりするくらい早くいつもの主治医の先生がやってきた。
早すぎてびびったわ。
先生「とりあえず脈も体温も異常はないわね………。他に身体で気になることある?」
『あー、とにかく痛いですね肌が痛いです。』
先生「そりゃそうよ………。思いっきり水を浴びたんだからね……?」
『ウッすみません()』
先生「でもねあなたちゃん。今回の事でかなり水アレルギーへの免疫が弱まった。皮膚も……元に戻らない部分は必ずあるわ。」
『ですよね………』
先生「それに元々ダメージを負ってた部分が酷いことになってる。このままだと将来その部分が腐敗して命に関わることもある。…………私が言いたい事、分かるわよね。」
『…………………あの、手術ですか。』
先生「……………そうね。残念なことに*日本では*行えなくてね…………」
『………………存じています。』
先生「本当は二十歳になってからの予定だったのだけれど、今の状態だと卒業式まで持つかどうか………」
『…………………………!』
先生「辛いことかもしれないけど、あなたちゃんが生きていける可能性を増やすにはこの方法しかないのよ。」
『………………………』
先生「……………また考えといてちょうだい。私は次の診察に行くわね。」
『………………………はい。』
はあ………………。
皆と卒業できないのかもしれないのか………。
割と、きついな。
自分が招いたことだけど、どうしても受け入れたくは、ない。
これはころん達には言えないなあ…………
きっと美紀さんやゆあはもう話を聞いただろうけど。
あーあ、また隠し事作っちゃった。
でも
もし、この事を
今の自分の体がボロボロな事を
一緒に卒業できないかもしれない事を
………私の身体の皮膚全体を新しく発見された細胞で入れ替えるという、成功率50%の手術をアメリカに受けに行く事を知ったら
君はどう思う………………………?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!