第5話

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2019/05/03 12:31

その後 、しばらく 無言のまま向かい合っていた 。


最初に目を逸らしたのは 彼だった 。


目を逸らしたあと 声もかけずにまた煙草を吸いに行ってしまった 。


彼の髪が 風になびいたとき 風に乗って彼の匂いが流れてくる 。

少し離れたところで 彼を眺める 。


何回も染めているのにサラサラな真っ赤な髪の毛


いろんな意味で大きな背中


とても落ち着く 心地のいい低音ボイス


一見クールだけども 実は子供っぽいところ


全部 知ってる 。


全部大好き 。



それなのに 彼には何も伝わらない



いや 伝わっているのかもしれない 。


けれど彼は気付かないふりをしているのか …


それなのに 私との関係を続けている


つくづく 罪深い男だと思う 。


そんなことを考えていたら


少しずつ夜が明けてきた 。


彼の髪が 朝日に照らされて光っているのを見て


私はまた見とれてしまう 。


そして 私は


また彼に恋する











続く

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