家に着き自分の部屋に行くと 部屋は荒れ放題だった 。
『 そういえば 疲れて片付けしてなかったわ 』
バックをドサッと置き 部屋の片付けを始める 。
3日前のコンビニ弁当 、 企画で使った物のダンボール
『 そら お前俺の部屋入った ? 』
「 んぇ〜 ? あ 、 えいちゃんおかえり ! 部屋入ったよ 。 」
『 んぇ〜じゃねえよ 。 片付け大変なんだけど ? 」
「 まぁそんなカリカリすんなって ! 」
『 おい … 』
逃げ足だけは速い奴だ 。
多少イライラしてはいたものの いつもの事だ 。 と片付けを始める 。
*
『 ん ? 』
片付けをしていると 何かを踏んでしまった 。
写真立てだった 。
そこに写っていたのは俺とあなた 。
高校の制服を着て 満面の笑みで写っていた 。
『 あの頃は 楽しかったな … 。 いつから俺らはこんな関係になったんだ 』
そんなことを考えても結局答えは出ず 、 ただ黙々と片付けを進める 。
それなのに ゴミの中 服の中から出てくるのは あなたとの思い出の品ばかり 。
好きでもない
彼氏彼女の関係でもない 。
ただ俺の勝手な事情で続けている 関係 。
このままの状態でいいのか 。
そんなことを言う勇気はもちろんなくて
ただズルズルと続けてきてもうすぐ4年になる 。
お互い 彼氏彼女を作ろうと思えば作れた 。 それなのに作らなかったのは何故か 。
どれだけ考えても何も出てくるはずはなく 中途半端で終えた部屋の片隅で俺は久々に眠った 。
続く 。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。