海に着くと沢山の観光客で賑わっていた 。
みんなキラキラした笑顔で楽しそうに笑っている 。
'' 私も えいちゃんとずっと隣で笑っていたいな 。 ''
そんなことを考えていると 凄まじい吐き気に襲われる 。
すぐ近くにあった大きなテトラポットの後ろの影で 戻してしまった 。
前回よりも量が多くなり
花もだんだんと大きくなっていた 。
戻してしまった花を 砂の中に埋めて 遥香の方へ行く 。
「 どうしたの ? 」
心配して私の顔を覗く遥香 。
「 うん ちょっとね … 」
大きな声では言えない為 お洒落な海の家へ入っていった 。
*
*
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「 で ? 花吐き病にかかっちゃったからどうすればいいかって ? 」
少し驚いていたが 直ぐにいつも通りの冷静な遥香に戻る 。
「 そうなの 。 どうすればいいかなって … 」
困ったような顔をしてソーダを飲む 。
そして一言
「 告白すればいいじゃん ? 」
「 でも振られたら花を喉に詰まらせて死んじゃうって 。 」
「 あー 、そういえばそうじゃん … 」
「 もうえいちゃんのことを忘れて他の人を好きになるしかないのかなぁ 」
「 なんで ? エイジと両思いになりたくないの ? 」
両思い なりたいけど 。 きっと無理なんだよね 。
俯いてしまった私を見て遥香は
「 しょうがない 。 いい人紹介してあげるよ 。 」
「 え ? 」
ポカーンとしている私を見て遥香はスマホの画面を見せてくる 。
「 覚えてる ? 佐藤 寛太 」
「 かんてぃー ? 覚えてるけど … 」
「 高校の時 ずっとあなたのこと好きだったっていうの気づいてた ? 」
「 え … ?! そうなの ?!!! 」
「 試しに一回会ってみなよ 。 YouTuberやってるみたいだから 外出できるかは分からないけど 」
「 そうだね 。物は試し 。 一回会ってみるね 。 」
「 ん 、 佐藤の 連絡先あなたのLINEに送っといたからね 。
まぁ一応私からも話はしてみる 。 」
「 ありがとう 。 」
その後 色々と話したあと遥香と別れて海へ向かった 。
続く 。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。