第22話

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2019/06/20 12:40
「 みんないる ? 」


今にも口から心臓が飛び出てきそうなほどドキドキしているし焦っているけど


ここは私がしっかりしないとダメ 。


落ち着いて 深呼吸をする


「 じゃあ今からあなたの家に行くからね 。」


そう言って早足で歩き出す 。


なんだかんだ言って エイジも来て カンタと相方もいる 。


大丈夫 焦らないで ゆっくり …


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あなたの家の前に着き 合鍵を取り出す 。


ドアノブに鍵を刺し 扉を開けると一気に花の匂いがしてきた 。


逸る気持ちを抑え 靴を脱ぎ


一つ一つの部屋の扉を開けみていく 。


「 トイレが一番悲惨ね 。」


トイレには沢山の花弁が落ちていた 。


その周りは涙なのか とても濡れていた 。


「 僕 ここまであなた強い想いを持っているって知らなかった … 」

「 初めて見たけど すげぇな 」
カンタとトミーがトイレを見ている間 エイジは一言も話さなかった 。


次々とドアを開けていくがあなたはいなかった 。


そして残すは 最後の砦 寝室だけになった 。


「 あなたいる ? 私の声聞こえる ? みんな来たよ 」

「 1回 扉開けてみようよ 」


そういったカンタが少し戸を開けて すぐに閉めた 。


そしてその場にしゃがみ込み震えはじめた 。


まさか と思い扉を開けると


部屋中に花弁が吐き散らかされ その中心で


あなたが 花弁を喉に詰まらせて倒れているのを見つけた 。
「 …っ 」


あまりの衝撃に言葉が出なかった 。


私が立ち竦んでいるのを見て トミーが咄嗟にあなたの方へ行き


あなたの背中を叩き 喉に詰まっていた花弁を全て出し切らせた 。


「 あなた ?! 聞こえる ??!!!! 」


私がいくら呼び掛けてもあなたの返事はなく


ただただ 力無くぐったりといつもの綺麗な顔で目を瞑っているだけだった 。




続く 。

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