第4話

*
702
2019/05/01 13:21

私から出てきた 花はどう処理しようか悩みに悩みぬいた末に


洗面器の下に隠すことにした 。


もうこのホテルは使わせてもらえないだろう 。
洗面所から 出ると 彼は珍しく外を眺めていた 。


私が戻ってきたことに気づくと


視線を私に移して


『 遅かったじゃん 』


という 。
いつもならずっと聞いていても飽きないぐらいの彼の声だったが


今日に限って この声は聞きたくないと思った 。



ずっと黙っている私を見た彼は


『 なんかあったの 』


と聞くが 私はただ黙って首を振ることしか出来なかった 。

続く

プリ小説オーディオドラマ