第4話

疑惑
32
2019/12/07 09:29
あみ「中島先生は絶対二重人格だと思う。」

そう鼻息を強くしながら自信満々に言うあみ。

「それはさすがにないでしょ〜」と言いながら母親が作ってくれたお弁当を頬張る私。

今はお昼休憩の時間だ。

入学前から約束していた通りあみとご飯を食べている。

みさきちゃんは今日はお弁当を忘れたらしく、他クラスの友達と食堂へ行っている。

あみ「いやいやありえるよ!だって入学式の日はあんなだったのに、今は全然面影もないし!絶対あの先生は二重人格!」

ひの「決めつけは良くないよ?でもまぁ、疑っちゃうのも無理ないか。全然印象違うもんね笑」

と教室の隅でそんな会話を繰り広げていた。

すると教室のドアが開き、そこには今噂をしていた中島先生がみんなのノートをもって立っていた。

噂をするとなんとやらと言うがまさにその通りだなと思った。


先生「社会科の提出物ここに置いとくぞー。直しがあるやつがいるから、次の社会までに直して提出しに来いよ~。」

そしてみんながノートを取りに行く。

私もその波に乗りノートを取りに行く。

見てみると私のノートに再提出と書かれた付箋が貼られていた。

ひの「げ、私再提出だ。結構自信あったのになぁ。次の社会は…金曜日かぁ。それまでに直さなきゃ。」

あみ「どんまいひの。まぁまだ月曜日だし大丈夫だって!」

ひの「そうだよね!なんとかなるっしょ!」

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そんな会話を繰り広げて4日経った。

しまった再提出のことなんかすっかり忘れていた。

ひの「ど、どうしよう。もう放課後だ~。」

みさき「ひのちゃん頑張って!」

ひの「みさきちゃん今日暇?暇なら直すの付き合ってよ〜。」

みさき「ごめん!今日バイトなんだ!」

ひの「嘘ー!!」

まさかの希望の光を失ってしまった。

あみは今日クラスの友達とカラオケに行くらしい。

ということは私は1人でこれを直さなければならないということだ。

しかし、分からない。なぜダメなのか。

みさきのを写せば良いのだが、ひのは真面目な性格な故に人のものを写すという行為が嫌いなのだ。

ひの「こうなったら…仕方ないかぁ…。」

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コンコンコン

「はい。」

私は先生を頼るべく社会科の先生がいる教室に尋ねた。

まだ友達が少ない私にとってクラスに頼れる人はみさきちゃんしかいなかったのだ。

ひの「失礼します。1年6組の佐々木です。」

するとそこには

眼鏡が見えるか見えないかわからないくらい前髪が長い先生がいた。

_そうあの日初めて出会った時の先生だ。

ひの「先日貰った再提出のノートの直しですが、分からないので教えてください。」

先生「あー…。分かったそこに座って。」

と言われ近くにあった席に座った。

やはり、いつもと違い雰囲気が少し暗い。

前髪のせいだろうか?

それともやはり、二重人格なのだろうか。

私には分からなかった。

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