朝、久しぶりに早く来て教室の椅子で揺り椅子をしていると、おはぎ弟がやって来た。
……それは、昨日の放課後のこと。
帰ろうとしたら、いつの間にか外は大雨で。
仕方なく、昇降口で雨が止むのを待ってきた時。
黒い折り畳み傘を、多少強引に手渡される。
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…先生、あの1本しか傘、持ってなかったのか。
……とりあえず謝りに行こう。
そう言って教室から出ようとした時、
ガララッ
…という音を立てて、扉が開いた。
…あれ? 先生。
…顔色が、悪い………?
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ーー事情説明中ーー
そこで、先生が口を開いた。
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…先生の額に、触れる。
……熱い。
今も先生は、息苦しそうに呼吸をしている。
私は、新しい手拭いを先生の額の上に置き、汗を拭き取った。
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……頭が、クラクラする。
熱のせいなのか、はたまた別のことが原因なのか。
…それは、俺にもわからない。
……ただ。
脳が正常に機能していない、ということだけは。
…確かな、ことだった。
バァンッッ!!
待て…俺は今、青桐に…何を言おうとした……?
時透が来てなかったら…本当に危なかった。
こいつ、まだ自分のせいだとか思ってやがんのか。
………はぁ。
そう言って、時透に紙袋を渡される。
中を見てみると、高級おはぎ専門店の、こし餡のおはぎが入っていた。
あいつらか……。
…おはぎに罪はねぇから、頂くけどよォ。
後日、一日中追いかけ回された青桐であった。
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追記:今回もリクエストですっ!! 書き忘れてたけどリクエストです!!!
本当にありがとうございますぅぅぅぅ!
実弥さんが熱…レアですn((殴殴
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。