そうして、1人の王子は4人の小人の家に1晩泊まることになった。
…次の日の、朝。
その王子は、ふと山に行って。
──ガラスの棺を、見つけた。
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……そろそろだ。
そろそろ、あのシーンが来る。
…白雪姫と王子のキスシーン。
段々と実感してきて、ステージの上だってのに顔に熱が集まる。
あぁ、冷や汗がダラダラと流れて止まらねぇ。
……そんな時。
煉獄から渡された、1枚のタオル。
…こいつ、小声で話せたのかよ。
ふと我に返ると、劇は順調に進んでいた。
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近付いてみると、ガラスの棺の中には……派手に美しい1人の少女が横たわっている。
王子は暫く見惚れていたが、ハッと我に返ると、4人の小人にこう言った。
けれど小人達は、地味に静かに首を横に振る。
王子は小人達に何度も頼み込んだが、小人達は首を横に振るばかり。
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あぁ、遂に来てしまった、この時が。
……落ち着け、平常心だ平常心……。
……そうだ、相手はただのガキだ…す、好きなやつなんかじゃねぇ……
…ああぁぁ、ただのガキだって言い聞かせてんのに何で心臓の音が止まらねぇんだ。
……鼓動がはえぇ。
緊張で目が回る。
…つーかファーストキスが全校生徒の前とかふざけんなよ……馬鹿じゃねぇのか。
…はぁ。
そうして俺は、青桐に。
………静かに。
……ゆっくりと。
──唇を、重ねた。
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バッッ
白雪姫の喉につっかえていた毒林檎の欠片は…王子とのキスの弾みで吐き出すことに成功し、白雪姫は息を吹き返した。
…不思議そうに辺りを見回す白雪姫に、王子は大喜びでこう言った。
パシッッ←青桐の手を取る(台本にない)
…あー、それからスマブラ王子は問題児白雪姫に今までの事を全て聞かせた。
ブッ…ww(やっべ、笑う所じゃねぇのに…w)
…白雪姫が小人達の方を見ると、嬉し涙を流しながら渋々顔を縦に振っている。
白雪姫は王子にコクリと頷いて。
白雪姫は握った手を強く握りしめ、笑顔でそう答えた。
こうして白雪姫は王子の国へ行き、世界中の王子や王女を招いて、ド派手な結婚式を開くことに。
…だが、白雪姫を殺そうとしたあの女王もまた……その結婚式に招かれていた。
女王は、美しい花嫁が白雪姫だということをまだ知らない。
そんな時に、鏡にこう尋ねた。
バリーンッッ
とうとう怒りがピークに達した女王は、魔法の鏡を割ってしまった。
そうして女王は招かれた御殿へと入り……その花嫁が、白雪姫だということを知った。
女王が暫く立ちすくんでいると、その周りを王子の屈強な家来達が取り囲んだ。
女王は王子の言葉を聞き、すぐに自分の国へ帰って行った。
それから世界一美しい女王ではなくなった女王は、一気に老け込み、老婆に化けた時のような醜い姿になってしまったのだとか。
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バキィッッ
ドカァァッッ
口元を覆い、視線を逸らす不死川先生。
……いつもの覇気がない。
パシッッ
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。