俺は、宇髄と共に居酒屋に来ていた。
そして今、無理矢理酒を飲まされている。
あー…酒クセェ。これだから酒は嫌なんだ。
…つーか、段々頭回らなくなってきた……
…待て、コイツ……酔ってねぇ………?
そんなことを考えていると、宇髄に酒の瓶ごと口に突っ込まれる。
…かなり強めの酒だったみたいで。
そこからは、記憶が全くない。
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…多少強引だが、不死川を酔わせることに成功。
とりあえず何かあったか聞いてみるか。
予想外の返答が返ってきて、思わず酒を吹いてしまう。
……あの不死川がぁ? んな馬鹿な……
…少し考えて、あぁ、と納得した。
きっと、胡蝶がなんかしたんだろう。
それ以外考えられねぇ。
俺がそう言うと、不死川はスマホを取り出した。
……普段の不死川だったら、絶対にメッセージを送らねぇだろう。
……けど、今は酔ってる。状況が違ぇ。
…くそ、かなり酔ってるはずなのにガード硬ぇなコイツ。
……でも、もう一押し………。
︎︎
お、効果あり? 食いついた?
…いや、かなり効いてんな。
なんか文字打ち始めた。
おお、遂に…!!
…そして、不死川は……送信ボタンを押した。
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ピコンッ
只今、午後11時。
そんな時間に、誰かからLINEが来た。
……ったく、誰だぁ?
こんな時間にLINE送ってくる奴は……
……なんと、おはぎだった。
教師が生徒にこんな時間にLINEて……
って、んん? ナツマツリ? なつまつり?
……夏祭り?
何で先生がそんなこと聞くんだろう…とか思いながら、返信の文章を打つ。
……冗談のつもりだった。
きっと先生は否定するんだろうなぁ…と、心の中で笑いながら返信を待っていたら。
思わず声が漏れた。
……たった一言、「あぁ」。
…ん? どういうこと?? とうとう脳みそまでおはぎになったのか???
……もういいや。考えてもどうにもならん。
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…朝起きると、自分のベッドの上にいた。
……あ? 昨日、俺何してたんだァ…?
全く思い出せねぇ…。
とりあえず宇髄に聞いてみようと思い、LINEを開くと。
青桐とのトーク履歴が映された。
……何となく、思い出す。
そうだ。昨日、確か……酔った勢いで、青桐を夏祭りに誘っちまったんだったか。
……まァ、宇髄や胡蝶、時透や甘露寺に伊黒……
他の奴らも居るから、幾らかマシだ。
一日中、頭痛に襲われた俺であった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!