始業式。
……そう、今日は始業式だ。
お館様でお館様なお館様のお館様による素晴らしく長い話を聞いた後、皆90度の礼をビシッとカッコつけて決めて前の人に頭が直撃する。
……てなわけで、今日は始業式。
サボろうとしたけれど、おはぎに呆気なく捕まり、ココに居るというわけだ。
私がそう一言溢せば、
という声がどこからともなく聞こえてくる。
棒読みした私の声は、なんか知らんけど響いた。
あ、お館様がこちらを見てる。挨拶しなきゃ。
90度の礼。前の人が悲鳴上げてるのは気にしない。
……あれぇ、私なんか変な目で見られてます?
なんか悪いことしたかなぁ。
……宇髄先生は肩震わして何故か笑い堪えてるし。
スケベ川は血走った目でめっちゃこっち見てるし。
その後、あなたの姿を見たものは居なかった…。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。