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第1話

幼なじみとバスケ部
26
2021/03/02 10:28
「陽菜」




『ん?どしたの弘樹』




私は、蒼井 陽菜あおい ひな




「部活いっしょにいかん?」




『いよ〜、おいてかれちゃったしw』




この人は佐久間 弘樹 さくま ひろき




幼なじみだ。




十年間一緒。




中学生になってからは、そっけない態度だったんだけど、久しぶりに誘ってくれた。




「行くか」




『うん!』




いつもどおり、数少ない会話と外からの蝉の声がきこえる。




夏。部活は残りたい人は冬までやれるというシステムのこの学校は、ほとんどの同級生が部活に残り、最後の思い出をつくっている。




「『お願いしまーっす』」




残れるといっても、1、2年生とは別で練習するわけで、私達は反対側のコートに足を運んだ。




「あ、陽菜!ごめん、おいてっちゃって」




『大丈夫!教えるの頼まれてたんでしょ?w』




「そうそうw陽菜指名もあるから、明日は陽菜ねw」




『おけおけw』




この子はかなえ




元部長だ。




そして、たった一人の同級生の女子バスケ部員。




同い年が私と叶だけだったのもあって、とても仲がいい。




私二人は、男子に混ざってやっている。




男子バスケ部は、8人いるため、私達が入ると人数的にもちょうどよいのだ。




そして今日も、私達はバスケを始めるのだった。

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