第14話

ナイショのグループトーク
1,001
2018/12/31 14:17
久世
荒れてるね〜笑笑
イオリ
笑い事じゃないし💢
ワンマイことワンズマインドのグループトークに入れてもらうことに。
すず
お騒がせしてごめんなさい…!
ユキくんに彼女ができたという噂はSNSで拡散され始めている。


誰が流したかはわからない。


祝福の声があがる一方

ファンの中には怒り心頭する子、絶望する子もいて……。


この現状をどうするか。

その夜、メンバーとマネージャー、そしてわたしで話し合うことになったのだ。
イオリ
久世なら『また違う女を連れてる』で済むけどさ
由木は、そうはいかないよね
でもまあ、いずれ漏れることなら
ハッキリさせておいて正解だと思う。
稲本さんのことは僕らで守っていこう。
(わたしを……みんなが?)
久世
さんせーい!
イオリ
稲本すず
すず
はい!
イオリ
しばらく、一人にならないこと
イオリ
登下校は、誰かしら
メンバーと一緒にすること
すず
え!?
すず
うちから学校は
……そんなに遠くないよ?
イオリ
は?オレに口ごたえするの?
イオリ
それとも死にたいの?
すず
生きます……!
久世
はいはーい!
ボクが送ってあげる
そこは普通に考えて由木だろ。
イオリ
ってか
こんなときに由木は何してんの
久世
ファンの子から闇討ちにあってるんじゃない?
すず
( ゚д゚)!?
縁起でもないこと言うな。
久世
タニセンも入ってこないねー
イオリ
まあ、いいや
オレらがついてれば
余程のことがない限り安全だろうし
イオリ
くれぐれも秘密厳守で頼むよ
稲本すず
すず
うん!
イオリ
節度のある付き合いしてね?
久世
イオリー、そんなとこまで口出しするの?
イオリ
当たり前
あとあと響いてくるから
イオリ
少なくとも非常識ととれることは
今から謹んでもらわないと
久世
相変わらずお母さんみたいだねー
イオリ
は?
すず
心配かけてすみません
でも、迷惑になるようなことはしませんので……!
イオリ
言っておくけどオレが心配なのはバンドであって
イオリ
キミじゃないからな、稲本すず
すず
はい……
久世
ツンデレイオリ
イオリ
はあ?……誰が
由木
わりい
由木
寝てた
(ユキくんが、参加した……!)
イオリ
こんなときによく寝てられるね
由木
すずは、俺が送り迎えする
すず
えっ
すず
いいの?
由木
それが一番安心だ
すず
ありがとう……!
でも、無理しないでね?
由木
無理させろや
久世
ちょっとー
久世
いちゃつかないでよー(#^ω^)
イオリ
じゃあ、送り迎えは由木ね
SNSの方は僕に任せてくれ。
久世
どうする気ー?
いくつかのサブ垢使って、応援ムードに持っていく。
なにより避けたいのは稲本さんの個人情報がどんどん晒されていくような事態だ。

すでに学校名とイニシャルが載せられてる。
食い止めておきたい。

悪質な書き込みは通報する。
イオリ
じゃあ、オレもそれ手伝う
すず
わたしは何をすれば……!?
イオリ
なにもしないで
(……?)
イオリ
下手にファンを刺激させないで
普通にしてて
イオリ
間違っても
イオリ
路チュウとかしないでね?
路チュウ……って。

路上でのキス!??
すず
も、もちろん、、!
すまん遅れた
谷繁先生の、ご登場……!!!
久世
おそいよータニセン
彼女とヤってたの〜?
そうそう
あー腰いてえわ
って
稲本いるのに下ネタふるなよ
久世
ノリノリじゃん
すず
わたしのことなら…お気にせず……!
普通に授業の準備してたっつーの
久世
先生みたい
みたいじゃなくて教師じゃ
ここだと、教卓の前の先生とは、また雰囲気違うなあ。

よりフレンドリーというか。

さすがクセくん、幼なじみだけある。
まあ、この件は
なるようになるさ

アイドルでもねーんだし
恋愛くらい自由にしたまえ
久世
タニセンは、どうしてた?
ん?
久世
バンドでの、男女問題
あー、けっこうドロドロしてたな
すず
ドロドロですか!?
俺らのバンドの場合
体外的な問題よりかは
うちわで揉めたな
久世
わー、それはそれで厄介なやつだね
オッサンにも青春時代があったとさ

それに引き換えお前らは上手くいきそうでなにより
久世
わかんないよー?
ボクは、あわよくば
すずちゃん狙ってるし
由木
つけ入るスキ与えるかよ
久世
由木に飽きたらボクがいるからねー、すずちゃん♥
すず
飽きませんから…!
イオリ、種は撒いた。
イオリ
ご苦労さま
相変わらず張り合うユキくんとクセくん。

そんな2人を気にせずに会話を進めファンの対応をしている上野くんとイオリくん。


そして少し離れた場所から

わたしたちを温かい目で見守る(?)大人な先生。


みんな、それぞれに見た目も中身も違うけれど。
音楽がすきで集まって。

言いたいこと言い合ったり、ドキッとする冗談をまじえたりして。


このメンバーがすきで一緒にいるんだなってことが伝わってきた、そんな素敵な夜だった。

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