山名side
賢ちゃん、完璧にあなたのこと好きやん。
顔を赤らめて、そう言うあなた。
あなたも賢ちゃんのこと好きなん…?
前に言っとった"ふみが1番好き"って言うのは嘘やったん?
1人で会話を聞きながら、考えていると
いつの間にか立ち上がっていた。
ゆずるが何か言ったけど、耳に入ってこぉへんかった。
あなたが少し慌てたように言う。
あなたの隣のゆずるも、俺の隣に座っとる賢ちゃんも
頭にハテナを浮かべとる。
それとも…なんて期待してしまう自分がおる。
立っていた俺に、上目遣いで言うあなた。
力が抜けて、ソファに座る。
すると、この一連を見ていた2人は
すぐさま口を開いた。
そう答えると
やっぱりか。
そう2人に釘を打つと、あなたは顔を赤らめとった。
完
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。